トルコ

【世界遺産】「カーリエ博物館(モスク)」の見どころ!ビザンティン美術を徹底解説

カーリエ博物館 カーリエ・モスク トルコ

2025年5〜6月のトルコ旅行記です(料金は2026年5月調べのものを記載してます)。

世界遺産「イスタンブール歴史地区」を構成する「カーリエ博物館」を訪問しました。現在モスクになっているため、「カーリエ・モスク(Kariye Mosque/Kariye Camii )」とも呼ばれます。内部にびっしり装飾された後期ビザンツ時代のモザイク画とフレスコ画が最大の見どころです。

この記事では、「カーリエ博物館(モスク)」の見どころや歴史、入場料金などを解説していきます。

世界遺産「イスタンブール歴史地区」の全体の解説は以下より。

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カーリエ博物館(カーリエ・モスク)の歴史

カーリエ博物館は、ビザンツ帝国時代のコーラ(chora)教会が前身です。オスマン帝国支配下の16世紀頃からモスクに転用され、1945年にトルコ共和国の元で博物館となりました。2020年からはアヤソフィアと同じく、再度モスク化しています。

カーリエ博物館(モスク)の歴史を簡単に解説します。

前身であるコーラ教会は、4世紀にコンスタンティヌス1世が建造した修道院の一部でしたが、5世紀のテオドシウスの城壁の建設時に防衛施設に組み込まれました。

11世紀初頭、ビザンツ皇帝アレクシオス 1世の義母マリア・ドゥカイナによりコーラ教会が再建されました。現在の建物の大部分がこの時代のものです。

14世紀初頭にビザンツ帝国の政治家であるテオドロス・メトヒテスにより、コーラ教会内部に美しいモザイク画やフレスコ画が寄贈されました。卓越した技術でキリストや聖母マリア、聖書の場面などが描かれ、後期ビザンツ芸術の傑作と言われています。

1453年オスマン帝国によりコンスタンティノープルが陥落し、ビザンツ帝国は滅亡しましたが、コーラ教会はしばらくは教会として機能し続けました。

16世紀初頭の8代スルタンのバヤズィト2世の時代に、コーラ教会はモスクに転用され、カーリエ・モスクと呼ばれるようになりました。モザイク画やフレスコ画は漆喰で上塗りされ、ミフラーブやミナレットが増築されました。

1945年トルコ共和国により、カーリエ・モスクは無宗教化し博物館に指定されました。モザイク画やフレスコ画も復活し、一般公開されました。

1985年に「イスタンブール歴史地区」を構成する世界遺産に登録されました。

2020年エルドアン政権の元、アヤソフィアと同じく再びモスク化しました。博物館としての役割はそのまま維持しており、礼拝時間以外は美しいビザンツ美術を見学することができます。

場所・入場料金・営業時間

カーリエ博物館(モスク)の場所は以下となります。行き方としては、路線バスのEdirnekapı(エディルネカプ)停留所、またはトラムT4のEdirnekapı駅から徒歩で10分前後です。

自分はイスタンブール旧市街中心から路線バスで向かいました。Edirnekapı停留所で降りてから住宅街を歩いていく感じです。この辺りはイスタンブール中心部からも離れており、治安もあまり良くないと言われているエリアなので、明るい時間に訪問するのがベストです。

カーリエ博物館 カーリエ・モスク
カーリエ博物館 カーリエ・モスク

カーリエ博物館(モスク)が見えてきました。

カーリエ博物館 カーリエ・モスク

入場チケット料金と営業時間は以下となります(2026年5月調べ)。詳細は公式サイトにて。

  • 入場チケット料金:20ユーロ(ミュージアムパスは対象外)
  • 営業時間:9:00~18:00(集団礼拝のある金曜は定休日) ※1日5回の礼拝時間中は入場禁止

博物館だった頃はミュージアムパスで入れましたが、現在モスクのため対象外となりました。また、イスタンブールのモスクは基本的に入場料は無料ですが、カーリエ・モスクは博物館の性格もあるため有料となります。アヤソフィアと同じ運命を辿ってますね。

人気の観光スポットなので、時間帯によっては混むと思われます(自分は朝一行きましたが、それなりに観光客はいました)。KLOOKにて優先入場チケットを買えますので、時間を優先したい人は購入をオススメします。

モスクなので毎日礼拝があります。女性はスカーフで頭を覆う必要があります(スカーフは入口で貸し出しあり)。礼拝時間は入場できません。日中であればお昼前後、17時前後を避ければ礼拝時間と被らないと思います。詳しい礼拝時間はこちらより。

博物館内の全体図

カーリエ博物館(モスク)の全体図です。内と外のナルテクス(身廊手前にある廊下)、身廊、パレクレシオン(葬礼用礼拝室)の4つのエリアで構成されてます。各エリアは美しいビザンティン美術で装飾されています。

カーリエ博物館 カーリエ・モスク
  • 外ナルテクス:外側にあるL字型の拝廊です。天井のモザイク画は大分剥がれていますが、それでも数々の保存状態の良い絵を観ることができます。主にイエス・キリストの生涯が描かれています。
  • 内ナルテクス:内側にある拝廊です。主に聖母マリアの生涯が描かれたモザイク画を観ることができます。
  • 身廊:建物の中心部です。カーリエ博物館は現在モスクのため、ムスリムの礼拝エリアとなっています。他のエリアに比べてモザイク画は少なく、3点のみです。
  • パレクレシオン:葬礼用礼拝室と呼ばれています。こちらではフレスコ画をたくさん観ることができます。ビザンティン美術の傑作である「アナスタシス」が見どころです。

主な見どころ

カーリエ博物館(モスク)の外観、内部の美しいモザイク画とフレスコ画を紹介していきます。描かれる内容はイエス・キリストや聖母マリアの生涯、旧約聖書や新約聖書のあらゆる場面です。聖書の内容を知っていればより楽しめるかと思います。ざっくりですがどんな内容の絵かも簡単に解説していきます。

外観

まず外観ですが、カーリエ博物館(モスク)は他のビザンツ建築と同じように、レンガや石で構築されています。規模はそこまで大きくありません。手前には大きなバットレス(控え壁)があり、建物を支えています。建物の大部分は11世紀再建時のものと言われています。

カーリエ博物館 カーリエ・モスク

オスマン帝国時代にモスクになってからミナレットが追加されました。

カーリエ博物館 カーリエ・モスク

外ナルテクス

カーリエ博物館(モスク)の入口から入ると外ナルテクスとなります。L字型の拝廊となっており、このエリアはモザイク画で装飾されています。奥が出口なので外ナルテクスは最後に観光してもよいかもしれません。下図では見学した主なモザイク画に番号を振ってあります。

カーリエ博物館 カーリエ・モスク

外ナルテクスでは主にイエス・キリストの生涯が描かれています。順番に紹介していきます。

L字の直角部分のエリアです。天井の一部(左側)に残っているのは「麻痺の人を癒すイエス」(①)です。

カーリエ博物館 カーリエ・モスク

周囲の2つのタンパン(アーチに囲まれた半円形の壁面)にあるのは「幼児虐殺」(②)です。イエスの誕生を知らされたユダヤ王ヘロデは自分の地位が脅かされることを恐れ、2歳以下の男子を全て殺害することを命じました。絵の中の洞窟の入口が実際に空洞になっているのが面白いですね。平面図を見る限り奥まで続いてるようです。あと串刺しにされた幼児などちょっと描写がエグいです。

カーリエ博物館 カーリエ・モスク
カーリエ博物館 カーリエ・モスク

L字を曲がった先の通路です。向こうに見えるのは出口です。天井のモザイク画は結構剥がれてますね。

カーリエ博物館 カーリエ・モスク

「ヘロデ王と東方の三博士」(③)です。東方の三博士が、新しくユダヤの王になるとされるイエスの誕生をヘロデ王に伝える場面です。ヘロデ王は自身の座が脅かされると考え、2歳以下の男子を全員抹殺することを画策しました。その後②のモザイク画「幼児虐待」へと話が続きます。

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「嘆き悲しむ母親達」(④)です。②のモザイク画「幼児虐待」関連のお話です。息子を連れて追手から逃げる母親が描かれてます。

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「全能者ハリストス」(⑤)です。内ナルテクスへの通路口のタンパンに大きく描かれています。ハリトリスはギリシャ語で、キリストのことを指しています。左手に福音書を持ち、右手で祝福を与えるイエス・キリストの姿は、ギリシャ正教会の代表的な聖画像(イコン)です。かなり精巧に作られておりリアリティがあります。すぐ上には「パンを増やすイエス」(⑥)、「水をブドウ酒に変えるイエス」(⑦)などイエスの奇跡が描かれてます。

カーリエ博物館 カーリエ・モスク
カーリエ博物館 カーリエ・モスク

次に進みます。天井に描かれてるのは、写真下部分「イエスの洗礼」(⑧)と写真上部分「イエスの説法」(⑨)です。イエスはヨルダン川で洗礼者ヨハネから洗礼を受けました。キリスト教でも特に重要な場面です。説法は、ユダヤ教最大の祭りである過越祭(モーセの出エジプトを祝う)の時期にエルサレムにて行われました。

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タンパンにあるのは「キリストの降誕」(⑩)です。聖母マリアはベツレヘムの馬小屋にてイエスを生みました。天使が野宿する羊飼いたちに救い主イエスの誕生を告げ、彼らが礼拝に訪れました。中央にいる聖母マリアの右下に座っているのは夫のヨセフ、左下は生まれたイエスです。

カーリエ博物館 カーリエ・モスク

反対のタンパンには「聖家族のエジプトからの帰還」(⑪)があります。へロデ王による迫害を恐れ、ヨセフとマリアと幼少のイエスら聖家族はエジプトに逃れていましたが、ヘロデ王の死後、天使のお告げにより3人は故郷ナザレへ戻りました。

カーリエ博物館 カーリエ・モスク

外ナルテクスの最奥(建物の出口)のエリアです。

カーリエ博物館 カーリエ・モスク

奥のタンパンにあるのは「ヨセフの夢とベツレヘムへの旅」(⑫)です。聖霊によりマリアがイエスを宿ったことを夢のお告げで知ったヨセフは、マリアを妻に迎えることを決意しました。その後ローマ帝国よる住民登録の勅令により、ヨセフとマリアは先祖であるダビデの街ベツレヘムへ向かいました。

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こちらのタンパンにあるのは「課税のための登録」(⑬)です。ローマ帝国のシリア総督キリニウスの元で課税登録をするヨセフとマリアの様子です。

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反対にあるのは「過越祭のためにエルサレムへ向かうイエス」(⑭)です。過越祭のために、12歳のイエスは両親とともにエルサレムへ向かいました。父ヨセフがイエスを先導しています。

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内ナルテクス

続いて内ナルテクスです。こちらは外ナルテクスよりも小さいですが、天井のモザイク画はしっかり残っています。下図では見学した主なモザイク画に番号を振ってあります。

カーリエ博物館 カーリエ・モスク

内ナルテクスでは一部イエスが描かれてますが、多くは聖母マリアに関する内容です。順番に紹介していきます。

上記図面の右矢印から内ナルテクスに入ります。天井にびっしり残っているモザイク画が圧巻です。

カーリエ博物館 カーリエ・モスク

まず入口のヴォールトには「ハンセン病患者を癒すイエス」(①)があります。イエスの奇跡の1つです。

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ドームには「キリストの系図」(②)があります。中央にイエス、放射線状にその祖先らが描かれてます。ドームの四隅には、それぞれ右下「イエスに癒しを求める出血の激しい女性」(③)、右上「盲目で口の聞けない人を癒すイエス」(④)、 左下「12使徒の1人ペテロの義母を癒すイエス」(⑤)、左上「盲目の2人を癒すイエス」(⑥)が描かれてます。全てイエスの奇跡です。

カーリエ博物館 カーリエ・モスク
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ドーム天井エリアのタンパンには「デイシス」(⑦)が描かれてます。壁一面に描かれているので、かなり大きいです。アヤソフィアにもあったギリシャ正教会の代表的な聖画(イコン)であるデイシス(祈り)です。本来イエスの左隣には洗礼者ヨハネもいるのが一般的ですが、ここの絵は聖母マリアのみです。

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反対側のタンパンには「病人を癒すイエス」(⑧)があります。

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次のエリアです。天井には「マリアの神殿奉献」(⑨)が描かれてます。3歳のマリアが両親のヨアキムとアンナに連れられてエルサレム神殿を訪問し、生涯を神に捧げるために奉納された場面です。写真左のタンパンには「神殿から羊毛を受け取るマリア」(⑩)があります。神殿の幕に使うベールを作るように羊毛を手渡されるマリアです。写真右のタンパンには「イエスと聖堂を捧げるテオドロス・メトキテス」(⑪)があります。テオドロス・メトキテスはビザンツ帝国の政治家で、モザイク画やフレスコ画を寄贈した人物です。イエス・キリストは左手に福音書を持って、右手で祝福を与えるポーズを取っています。

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⑪の下は身廊への入口部分にもなっています。⑪の左右のヴォールトには、左「マリアの最初の7歩」(⑫)と右「天使よりパンを授かるマリア」(⑬)が描かれてます。⑫のマリアの最初の7歩は、3歳のマリアがエルサレム神殿へ奉献される際、自らの足で7歩歩いたという伝承です。

カーリエ博物館 カーリエ・モスク
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柱にはそれぞれ左「聖ペテロ」(⑭)と右「聖パウロ」(⑮)が描かれてます。ペテロは12使徒の中でも特に有名です。バチカンにあるカトリック総本山のサン・ピエトロ大聖堂は彼の墓の上に建っています。パウロは12使徒ではないですが、キリスト教の最重要の伝導者として有名です。

カーリエ博物館 カーリエ・モスク
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さらに進むと天井に描かれているのは、右「両親に愛されるマリア」(⑯)と左「祝福されるマリア」(⑰)です。マリアの両親はヨキアムとアンナです。右のタンパンには「マリアの誕生」(⑱)があります。損傷しており絵の内容が分かりにくいです。左のタンパンには「ヨセフに委託されるマリア」(⑲)があります。マリアの世話をヨセフに任す場面です。

奥のヴォールトには、左「マリアを家に連れていくヨセフ」(⑳)と右「ヨアキムとアンナの出会い」(㉑)が描かれています。

最後のエリアにあるドームには「マリアの系図」(㉒)があります。中央にイエスを抱いたマリア、放射線状にその祖先らが描かれてます。

ドーム周辺のタンパンには「アンナへの受胎告知」(㉓)があります。聖母マリアを宿ったことが天使により告知されたシーンです。すぐ上のドーム隅にあるのは「荒野へいくヨアキム」(㉔)です。㉓の受胎告知よりも前のお話です。アンナが何十年も子供に恵まれなかったことは神の不興の兆候と見なされ、夫ヨアキムはエルサレム神殿を追い返されました。その後荒野へ行き40日間の断食修行に入りました。

反対のタンパンには「マリアに別れを告げるヨセフ」(㉕)があります。ヨセフは、イエスを身籠ったマリアは不貞行為を犯したと考え、別れを告げます(後に夢の中で聖霊によるものと知る)。すぐ上のドーム隅にあるのは、左「マリアへの受胎告知」(㉖)と右「ヨアキムの捧げ物の拒絶」(㉗)です。㉖は有名な場面ですね。精霊の力でイエスを身籠ったことを天使から知らされるシーンです。㉗は子供に巡れないことを理由にヨキアムが神殿への捧げ物を拒絶されたシーンです。この後㉔の場面に繋がります。ヨキアム自身は描かれてないようです。

身廊

建物の中心部分である身廊です。大きなドームがある空間です。モスクに転用されてからはムスリムの礼拝エリアとなっています。下図では見学した主なモザイク画に番号を振ってあります。

イエス・キリスト / ②聖母マリア / ③コイメシス

身廊ではモザイク画は3つのみ残っています。紹介していきます。

身廊に入ると、両端には左「イエス・キリスト」(①)と右「聖母マリア」(②)が見えます。大分剥がれ落ちており、イエスに関しては顔が見えなくなってますね。

聖母マリアの上にある透かし彫りのレリーフでは、イエス?らの顔がありません。モスクに転用された時に削られたのでしょうか。

身廊の周壁はほぼ大理石です。モスクなので、メッカの方向を示すミフラーブと説教壇のミンバルもあります。ミフラーブは大理石、ミンバルは木造です。

身廊入口の上部には「コイメシス」(③)が描かれています。コイメシスはギリシャ語で眠りを意味しており、ここでは聖母マリアの永眠のシーンです。イエスが抱いている幼児はマリアの象徴とのことです。

パレクレシオン

家族の埋葬や追悼のための葬儀礼拝堂であるパレクレシオンです。こちらはフレスコ画のオンパレードです。下図では見学した主なフレスコ画に番号を振ってあります。

パレクレシオンでは主に旧約聖書の内容が多いかなと思われます。順番に紹介していきます。

パレクレシオンの入口です。先ほどまでのモザイク画エリアと雰囲気が違いますね。

入口から入ってすぐ上のヴォールトにある「イザヤの預言とアッシリア人を打ち滅ぼす天使」(①)と「祭壇前のアロンとその息子たち」(②)です。①はユダ王国の預言者イザヤの預言通り天使が現れ、エルサレムに迫った強国アッシリアを壊滅させる場面です。②のアロンは預言者モーセの兄で、アロンとその息子達は神殿の祭司に任命されました。

入ってすぐドーム天井があります。

ドームに描かれている「聖母子と天使たち」(③)です。中心にマリアとイエス、放射線状に天使らがいます。

ドーム周辺のタンパンに描かれているのは、左「ソロモン王とイスラエルの人々」(④)と右「契約の箱の設置」(⑤)です。④のソロモンはダビデの息子でイスラエル王国の3代目国王です。⑤の契約の箱(アーク)はモーセが神から授かった十戒を刻んだ石板を納めた箱です。ユダヤ教・キリスト教における聖遺物で、神殿に安置されました。紀元前9世紀頃に消失し、現在どこにあるか不明とのことです(エチオピア正教会は所持してると主張している)。

反対側のタンパンには「ヤコブと天使のレスリング」(⑥)があります。最初の預言者アブラハムの孫のヤコブが天使と格闘し、勝利したことでイスラエルの称号を授かりました。なんか不思議な話ですね。ちなみに格闘の絵の下にはモーセが描かれてます。写真右の方のヴォールトにいる男性もモーセかなと。

次のエリアです。フレスコ画のオンパレードで圧巻です。

天井には「最後の審判」(⑦)が描かれています。聖書でも有名なシーンです。玉座に座るイエスと両隣には聖母マリアと洗礼者ヨハネがいます。写真の下のヴォールト中央にいるのは「大天使ミカエル」(⑧)です。悪魔と戦う天界のリーダー的存在です。

タンパンには「運ばれている契約の箱」(⑨)が描かれてます。契約の箱(アーク)をエルサレムへ運ぶシーンかなと思います。

反対側のタンパンにあるのは「天国行きを選ばれた人々」(⑩)です。⑦の最後の審判で選ばれた人々が続々と天国へ入場していきます。

アプス(後陣)には「教父たち」(⑪)が描かれてます。三位一体などキリスト教の根幹となる教義を確立した聖人たちです。

アプスの半ドームにあるのは「アナスタシス」(⑫)です。後期ビザンティン芸術の傑作で、カーリエ博物館でも最大の見どころの1つです。アナスタシスは復活という意味で、十字架の刑から3日後にイエスが復活したシーンです。イエスは人類最初の男女であったアダムとイブを墓から引きずり出しています。アダムの後ろには洗礼者ヨハネ、イスラエル王国のダビデ王とソロモン王がいます。

まとめ

カーリエ博物館(モスク)の観光の見どころなどまとめです。

  • 後期ビザンティン美術の傑作であるモザイク画とフレスコ画のオンパレード
  • 現在モスクなので礼拝時間は入場できないので注意
  • フレスコ画ならアナスタシスと最後の審判が見どころ
  • モザイク画ならドームに描かれるイエスやマリアの系図、デイシスなどが見どころ
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