2024年4~5月のポルトガル旅行記です(料金は2026年2月調べのものを記載してます)。
ポルトガルの第2の都市ポルトの旧市街は「ポルト歴史地区」として世界遺産に登録されています。街の美しい景観をはじめ、大聖堂や宮殿など歴史ある建物で構成されています。
この記事では「ポルト歴史地区」はどのような世界遺産なのか、ポルトの歴史、構成資産の観光の見どころや料金なども踏まえて解説していきます。
世界遺産「ポルト歴史地区」とは?
「ポルト歴史地区」は1996年に世界遺産に登録されました。その後2016年に「ポルト歴史地区、ルイス1世橋及びセラ・ド・ピラール修道院」という名称に変更になりました(世界遺産の範囲は変わらず)。
ドウロ川の河口に位置するポルトは、古代ローマ時代以前からの歴史があり、港町として発展してきました。世界遺産であるポルト歴史地区は比較的小さいエリアですが、美しい街並みと中世~近代の歴史建造物がギュッと詰まっており、見どころも多くポルトガル屈指の観光地です。また、ポルトはポートワインを出荷する港町としても有名です。
「ポルト歴史地区」は以下の理由で世界遺産に登録されました。
- ポルト歴史地区の都市構造と多くの歴史的建造物が、海に面したヨーロッパ都市の過去1000年間の発展の顕著な証拠となっている(登録基準4)。
| 登録名 | ポルト歴史地区、ルイス1世橋及びセラ・ド・ピラール修道院 (Historic Centre of Oporto, Luiz I Bridge and Monastery of Serra do Pilar) |
| 国 | ポルトガル |
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 登録基準 | (4) |
| 登録年 | 1996年(2016年に名称変更) |
以下は「ポルト歴史地区」の世界遺産の範囲です。緑線で囲まれているエリアが世界遺産、赤点線内がバッファゾーンです(ユネスコ世界遺産センターより)。

ポルトの歴史
ポルトの歴史を簡単に紹介します。
リスボンに次ぐポルトガル第2の都市ポルトの歴史は紀元前に遡ります。発掘された遺跡からケルト人やフェニキア人が住んでいたことが分かっています。
その後ポルトはローマ帝国の支配下に入り、港町「ポルトゥス・カレ」と呼ばれ、商業の中心地として発展していきました。
5世紀以降西ヨーロッパにゲルマン人国家が乱立すると、イベリア半島にはスエビ王国や西ゴート王国が建国され、ポルトはキリスト教普及の重要な中心地となりました。
8世紀初頭にはポルトはイスラム勢力の支配下となりましたが、741年にアストゥリアス王アルフォンソ1世率いるキリスト教勢力によって奪還されました(レコンキスタ)。
12世紀にポルトガル王国が成立すると、ポルトはポルトガルの中核都市となり、大航海時代の15世紀頃まで造船業と海事の中心地として栄えました。1415年にエンリケ航海王子はポルトから出航し、セウタ攻略へ向かったと言われています。
18〜19世紀にかけては、ポルト港から特産ワインがイギリスに輸出され、それらはポートワイン(ポルト・ワイン)と呼ばれて有名になりました。
1996年に旧市街が「ポルト歴史地区」として世界遺産に登録されました。
主な構成資産
世界遺産「ポルト歴史地区」の多くの歴史建造物の観光は徒歩圏内です。基本は徒歩で、訪問する施設によってはメトロやバスを上手く使えると観光の幅がグッと広がります。
以下のマップに世界遺産「ポルト歴史地区」の主な構成資産を記しました。
①ポルト大聖堂(Cathedral of Porto)
②クレリゴス教会(Church of the Clerics)
③ボルサ宮殿(Bolsa Palace/The Stock Exchange Palace)
④サン・フランシスコ教会(Church of St.Francis)
⑤カルモ教会とカルメル教会(Church of Carmo/Church of Carmel)
⑥サント・イルデフォンソ教会(Church of Saint Ildefonso)
⑦サン・ベント駅(São Bento Station)
⑧ドン・ルイス1世橋(Dom Luís I Bridge)
⑨セラ・ド・ピラール修道院(Monastery of Serra do Pilar)
ポルトの交通機関や交通カードAndanteについては以下で詳しく解説しています。

各構成資産の見どころや料金を簡単に解説していきます。
歴史ある街並み
ポルト歴史地区の特徴の1つに、歴史ある美しい街並みがあります。写真でいくつか紹介します。
①ポルト大聖堂
ポルト歴史地区の代表的な世界遺産である「ポルト大聖堂」です。
創建は12世紀でポルト市内で最古の建造物です。リスボンやコインブラの大聖堂と同じく、国内最重要のロマネスク式建造物の1つです。
17〜18世紀の改修時に施されたアズレージョのある回廊は必見です。
入場チケット料金と営業時間は以下となります(2026年2月調べ)。詳細は公式サイトにて。
- チケット料金:4ユーロ
- 営業時間:9:00~17:00
②クレリゴス教会
18世紀建造の「クレリゴス教会」です。イタリア人芸術家ニコロ・ナッゾーニにより建築されました。
楕円形の平面図で、典型的なバロック様式の教会です。
入場チケット料金と営業時間は以下となります(2026年2月調べ)。詳細は公式サイトにて。
- チケット料金:10ユーロ(塔と博物館) ※教会は無料
- 営業時間:9:00~19:00
③ボルサ宮殿
19世紀に商業協会により新古典主義様式で建造された「ボルサ宮殿」です。
ボルサとは「証券取引」という意味で、ボルサ宮殿は証券取引所として利用されていました。法廷の間、アラブの間などいくつもの豪華絢爛な部屋があり、特にアラブの間が最大の見どころとなっています。ツアーでのみ訪問可能です。
入場チケット料金と営業時間は以下となります(2026年2月調べ)。詳細は公式サイトにて。
- チケット料金:14ユーロ(予約必須のガイド付きツアー) ※対応言語:英語、ポルトガル語、スペイン語、フランス語
- 営業時間:9:00~18:30
④サン・フランシスコ教会
13世紀創建の「サン・フランシスコ教会」です。ゴシック様式の教会として建造され、後に内装はバロック様式で装飾されました。バロック装飾はポルトガルで最も傑出したものの一つと言われています。
入場チケット料金と営業時間は以下となります(2026年2月調べ)。詳細は公式サイトにて。
- チケット料金:11ユーロ(教会、博物館、カタコンベ) ※内部は撮影禁止
- 営業時間:9:00~19:00
⑤カルモ教会とカルメル教会
18世紀に建造されたバロック/ロココ様式の「カルモ教会」(写真右)と、その隣にある17世紀のマニエリスム建築「カルメル教会」(写真左)です。
カルモ教会の側面は巨大なアズレージョで覆われており、ポルトガル最大級と言われています。
カルモ教会とカルメル教会は合体しているように見えて、パッと見では気付けないかもですが、2つの教会の間には幅わずか1メートル程度の「世界で最も細い家」が存在します。かつて人が住んでおり、この家は2つの教会の独立性を保つために建てられたと言われています。内部も見学できます。
入場チケット料金と営業時間は以下となります(2026年2月調べ)。詳細は公式サイト(カルモ教会)にて。
- チケット料金:カルモ教会→7ユーロ/カルメル教会→無料
- 営業時間:9:30~17:30
⑥サント・イルデフォンソ教会
18世紀初頭にバロック様式で建造された「サント・イルデフォンソ教会」です。
教会のファサードは美しいアズレージョで覆われています。ポルトの教会は外壁にアズレージョが使われているものが沢山ありますね。
入場チケット料金と営業時間は以下となります(2026年2月調べ)。詳細は公式サイトにて。
- チケット料金:1ユーロ
- 営業時間:曜日によって営業時間が異なる→詳細は公式サイトのスケジュールにて
⑦サン・ベント駅
ポルトの観光客のほとんどが訪れるであろう「サン・ベント駅」です。
駅内部は約2万枚のアズレージョで装飾されており圧巻です。世界で最も美しい駅の1つに選ばれています。
以下の記事にて解説しています。

⑧ドン・ルイス1世橋
ドウロ川を挟んでポルト歴史地区とヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア地区を結ぶ鉄橋「ドン・ルイス1世橋」です。
パリのエッフェル塔を設計したギュスターヴ・エッフェルの弟子、テオフィロ・セイリグが設計し、1881年から1886年の間に建設されました。
2階建て構造になっており、上層は歩行者とメトロ(D線)用、下層は自動車と歩行者用になっています。
⑨セラ・ド・ピラール修道院
16世紀にジョアン3世の命令により建造された円形教会を持つ「セラ・ド・ピラール修道院」です。19世紀のナポレオン戦争時には要塞としても機能しました。
Google mapで確認すると臨時休業と書いてありますが(現在も)、運が良かったのか訪問時は教会内部に入れました。
また、修道院がある丘から眺めるドン・ルイス1世橋やポルト歴史地区の街並みは必見です。




































