2023年4月のカンボジア旅行記です。
世界遺産「アンコール」観光です。アンコール遺跡群の南東にあるロリュオス遺跡群の1つ「バコン」へ。バコンはアンコール朝初の砂岩のピラミッド寺院です。
世界遺産アンコールの全体の解説はこちら。アンコール朝の歴史と世界遺産を構成する各寺院を紹介しています。

バコンとは?
創設年 | 881年 |
創設者 | インドラヴァルマン1世 |
宗教 | ヒンドゥー教シヴァ派 |
形態 | 平地式/ピラミッド式 |
建築材 | 砂岩/レンガ |
バコンは東西900メートル、南北700メートルという大きい敷地内にあり、2つの環濠が巡らされています。また環濠に合わせて周壁も3重となり、第3周壁内に砂岩の5層のピラミッド寺院が建てられています。頂上には砂岩の祠堂が1基配置されています。
アンコール朝初期の首都ハリハラーラヤにて、881年インドラヴァルマン1世(在位877〜889年)によりヒンドゥー教シヴァ派の寺院として建造されました。ちなみにハリハラーラヤは「ハリハラの都」という意味で、ハリハラはシヴァ神とヴィシュヌ神の合体神です。ハリハラーラヤ時代の寺院遺跡は、ロリュオス遺跡群と呼ばれており、「プリア・コー」「バコン」「ロレイ」の3寺院により構成されます。
バコンは砂岩のピラミッド寺院としてはアンコール朝最初のものであり、ロリュオス遺跡群で最大の規模となります。
バコンは、インドネシアの仏教国シャイレンドラ朝のボロブドゥール寺院(ジャワ島にある)と非常に類似性があるとも指摘されています。当時両国で海を隔てた人的交流があり、バコンがボロブドゥール寺院の手本となったとも考えられています。
以下ではクメール建築を楽しむためのポイントを紹介しています。ご覧ください。

場所・料金・営業時間
「プリア・コー」「バコン」「ロレイ」からなるロリュオス遺跡群は、アンコール遺跡群の南東、シュムリアップからは東へ約13kmあたりに位置します。ロリュオス遺跡群は、アンコール観光の小回り・大回りコースに入っていない遺跡群です。トゥクトゥクのドライバーにお願いしてシェムリアップからロリュオス遺跡群まで往復18ドルで連れて行ってもらいました(2023年4月時点)。
3つの遺跡は近いので、もしロリュオス遺跡群へ行ったら3つまとめて観光すると良いと思います。
ロリュオス遺跡群の寺院は「アンコールパス」というチケットで入場できます。
チケット詳細とおすすめ観光ルートを以下の記事で紹介しています。

バコンの営業時間は7:30〜17:30です。
バコンの全体マップ
バコンはピラミッドは2つの環濠に囲まれています。下の図は中心部となるので、外側の環濠や周壁は記載していません。ピラミッド周りの8基の祠堂はレンガ造りで、修復中のものが多かったです。観光の所要時間は1時間が目安です。

東塔門から内部へ
バコンに向かう途中で、トゥクトゥクのドライバーさんが写真スポットを教えてくれました。北側の環濠の外側から見るピラミッド寺院です。水面にも中央祠堂が映り、大変美しいです。

バコンの入口に到着しました。世界遺産のモニュメントです。

東塔門を越えて参道を歩きます。

参道の欄干には巨大なナーガの像がありました。


東楼門は跡形もなく崩壊してました。ラテライトの周壁は少し残っています。

寺院内には崩壊してる建物が多いですね。

こちらは開口部分だけ残っています。

ヨニがありました。以前はリンガもあったのかと思います。

寺院の南東部には綺麗なレンガ建築物が2基ありました。

額縁構図の写真スポット
ピラミッドを登る手前には門があります。こちらは東側です。

門出口の破風の開口部から、頂上の中央祠堂を見ることができます。額縁構図ですね。これは意図的に設計されたのでしょうか?見逃せない写真スポットです。

東側以外でも同じような構図を確認できました。これは南側です。

5層のピラミッド頂上へ
ピラミッドは5層で、砂岩のがっしりした基壇です。

格段にシンハ像やゾウの像が配置されています。南側の1層目のシンハ像はかなり綺麗に残っていました。

砂岩の階段を上り、中央祠堂に向かいます。

4層目には砂岩の小祠堂(全部で12基)が配置されてました。

中央祠堂に到着しました。少し赤みのある砂岩で造られています。基壇の大きさに比べると割と小ぶりな印象です。

小さいと言えども、近くで見ると迫力があります。ちなみに中央祠堂とピラミッド基壇は後世に修復されたことが分かっています。

元々シヴァ神を祀った祠堂ですが、現在では仏像が祀られていました(カンボジアは現在仏教国)。

中央祠堂のレリーフ
中央祠堂では砂岩のデバターの美しいレリーフを見ることできます。


デバター周りのレリーフも見てて楽しいですね。



南側5層目の基壇に戦っている阿修羅のレリーフがあります。基壇を構成してる砂岩の一部なので目立ちませんが、かなり綺麗です(自分は残念なことに見逃したのでネットから拝借しました泣)。

まとめ
世界遺産ロリュオス遺跡群の「バコン」観光のまとめです。
- アンコール朝最初の砂岩ピラミッド寺院
- ロリュオス遺跡群で1番規模が大きい
- 環濠の外側からピラミッドを撮影できるポイントあり
- 額縁構図の中央祠堂を撮影できる
- 5層目基壇の阿修羅のレリーフがとても綺麗に残っている
- 観光の所要時間は1時間が目安