2023年4月のカンボジア旅行記です。
世界遺産「アンコール」を構成する遺跡の中でも断トツで有名な「アンコール・ワット」へ。カンボジア観光の定番です。
見どころが沢山あるので、「参道」「第一回廊」「十字・第二・第三回廊」の3回に分けて紹介します。
まずはアンコール・ワット中心部へ続く参道です。写真スポットが多めです。
「第一回廊」「十字・第二・第三回廊」の記事は以下となります。


世界遺産アンコールの全体の解説はこちら。アンコール朝の歴史と世界遺産を構成する各寺院を紹介しています。

アンコール・ワットとは?
創設年 | 1125年建造開始。30年かけて完成 |
創設者 | スーリヤヴァルマン2世 |
宗教 | ヒンドゥー教(ヴィシュヌ派)→16世紀後半に仏教寺院へ |
形態 | 平地式/ピラミッド式 |
建築材 | 砂岩、ラテライト(周壁) |
アンコール・ワットは世界中から多くの観光客が訪れている、カンボジアで最も人気のある東南アジア最大の石造寺院です。カンボジアの国旗にも描かれています。アンコールはクメール語で「都」、ワットは「寺」であるため、アンコール・ワットは「寺院のある都」という意味となります。それまで主流だったヒンドゥー教シヴァ派に代わり、スーリヤヴァルマン2世(在位1113〜1150年頃)が信仰するヒンドゥー教ヴィシュヌ派の寺院として12世紀に建造されました。
寺院の形態はピラミッド式で、中心に中央祠堂を含む5つの祠堂、その周りを3つの回廊が囲んでいます。さらにその外側は大きな環濠で囲まれており、中心部まで行くのに長い参道を歩くことになります。
多くの寺院とは違い、入口は西向きに建てられており、正門は西門とになります。そのため中央祠堂の背後から日が昇るような設計になっています。
アンコール放棄後の16世紀後半には仏教寺院となりました(現在も仏教寺院)。
17世紀には朱印船貿易により日本人にも知られ、日本からたくさんの巡礼客が訪れました。
1860年フランス人アンリ・ムオによって発見され、世界中に知られることになりました。
アンコール・ワットの見どころは、中心の祠堂が見え隠れする長い参道、第一回廊に隙間なく描かれた壁画、至る所に掘られたデバターなどです。見どころがたくさんで何度も訪れたくなる場所です。
以下の記事では、クメール建築を楽しむためのポイントを紹介しています。ご覧ください。

場所・料金・営業時間
アンコール・ワットの場所は以下です。シェムリアップから北に7kmくらいに位置します。
アンコール・ワットは「アンコールパス」というチケットで入場できます。
詳細は以下の記事で紹介しています。

営業時間は5:00〜17:30です。朝6:00までは参道の途中までしか入場できず、朝日を見るための時間となっています。
アンコール・ワット全体マップ
アンコール・ワット全体図です。中心まで行くには長い参道を歩きます。アンコール・ワット観光は全部見学して大体所要時間が2~3時間くらいです。

周りの大きな環濠は海、中央祠堂は神々が住む須弥山、周囲の回廊はヒマラヤ連峰を表現しています。
アンコール・ワットは西向きに建てられており、午前中は参道から見る祠堂群が逆光になってしまいます。午後からの見学がよいですね。逆に言えば、早朝は朝日を祠堂越しに拝めるので、人気のサンライズスポットとなっています。
まず目指すは西塔門
アンコール・ワットの敷地付近はトゥクトゥクなどの乗り入れが禁止されてるので、少し遠くに止めてもらい、そこから歩くことになります。遠くからでもアンコール・ワットの祠堂が見えます。

世界遺産マーク発見。

敷地内に入ると、前方に西塔門が見えます。先ほどまであった祠堂が見えなくなりました。

大きな環濠に架かる桟橋を渡ります。

右にはもう1つ橋が架かっていますが、これは桟橋の工事のために仮で架けられた橋のようです。

西塔門はレリーフ祭り
西塔門です。門の左右には周壁(回廊)が広がっています。参道にはナーガ像もあります。少し分かりにくいですが、門の奥の開口部からは中央祠堂が見えます。

西塔門の中へ入ると、先ほどの開口部に祠堂が3つ現れました。額の中の絵画のようです。撮影ポイントですね。アンコール・ワットの参道は歩いてると、祠堂が見えたり見えなくなったりしますが、これは意図的にそう作られているとのことです。この額縁構図の祠堂群もこう見えるように計算されています。

西塔門の中から回廊側(右手側)へ行きます。連子状窓がありました。

格子もかなり細かいデザインですね。

高さ4mの大きなヴィシュヌ神の像が祀られていました。修復されていますが、創建当時に安置されていたものではないかという説があります。

ヴィシュヌ神を通り過ぎて、さらに進むと長い回廊がありました。幅は狭いですね。クメール建築では屋根の架け方(迫り出し構造)の都合上、幅を広くできません。回廊はいくつもの建物を連結して造られています。

西塔門を出て振り返ると、連子状窓が連なった回廊の壁に美しいデバターのレリーフがたくさんありました。連子状窓は開口部がなく、ただの装飾用のものです。壁の重苦しい雰囲気を除去する目的で作られており、各遺跡で見られます。

近くでも見れます。彫りが深くとても美しいです。ここは見逃せないポイントかと思います。


参道から見える祠堂
引き続き参道を歩きます。祠堂もしっかり見えて、アンコール・ワットの映え写真が撮れるポイントです。祠堂は全部で5つありますが、重なっているため3つに見えます。

参道の途中で少し脇にそれると、聖池がありました。池越しに見るアンコール・ワット中心部です。ここも映えポイントですね。ここからだと祠堂はしっかり5つ見れました。

雨季だと池の水量も増えるので、また違った景色が見れるかと思います。よくネットやガイドブックで見ることができるアンコール・ワットの写真の多くはここで撮影されています。
また、ここは朝日を見る人気の場所でもあります。
十字テラスへ
さらに進むと、十字テラスがあります。シンハ像が4体ありました。祠堂群にも近づいてきました。

テラスに上がると、目の前には第一回廊へ繋がる門があります。門と第一回廊と祠堂群が一体化してるように見えます。祠堂群は奥にあるはずなのに、不思議な感じです。

門に近づくと、祠堂が視界から完全に消えました。次に祠堂が見れるのは少し後になります。

次は第一回廊です。
朝日鑑賞
アンコール・ワットは朝日鑑賞としても人気があります。
別の日ですが、トゥクトゥクを予約(2023年4月時点で5ドルでした)して、朝5:00起きで行きました。正面からでなく、別の入口から入場し、仮設の橋を渡って中心部へ向かいました。かなり人が集まってきてます。

祠堂のシルエットが見えます。

曇っていたのであまり綺麗には見れませんでしたね。7:00くらいまで聖池の前で粘り、中央祠堂のてっぺんに太陽が登ってきたところで撮影しました。

このままアンコール・ワット内部を見学するのもよいと思います。朝日見た後は皆んな一旦ホテルに帰るので観光客は少ないです。
まとめ
世界遺産アンコール・ワット観光の参道のまとめです。
- 中心部の祠堂が見えたり見えなくなったりする意図的な作りに感動
- 西塔門のデバターのレリーフは必見
- 聖池から見る祠堂群など映えポイントが多い
- 滞在期間に一度は朝日鑑賞するのがおすすめ