2024年4~5月のポルトガル旅行記です(料金は2025年9月調べのものを記載してます)。
ポルトガルの首都リスボンは、地下鉄、列車、バスなど交通機関をうまく利用できると旅がグッと楽になります。そのためには交通カード「navegante」の購入が必要となります。このnaveganteカードの仕組みが少し分かりにくいので、買い方やチャージ方法など含めてなるべく分かりやすく解説していきます。
リスボンの主な交通機関
リスボンの主な交通機関は、地下鉄(メトロ)、鉄道(CP)、バス、トラム、ケーブルカーなどがあります。Google Mapにも対応しています。交通カード「navegante」の説明の前に、それぞれの交通機関を簡単に紹介していきます。
地下鉄(メトロ)
まず地下鉄(メトロ)です。交通カードnaveganteもしくはクレカタッチで乗車可能です。単独チケットのnaveganteカードまたはクレカタッチなら1.85ユーロ、チャージしたnaveganteカードなら1.66ユーロです(2025年9月調べ)。

以下の全4線があります。
- 青ライン(Linha Azul)
- 黄色ライン(Linha Amarela)
- 緑ライン(Linha Verde)
- 赤ライン(Linha Vermelha)
地下鉄(メトロ)の路線図です(公式サイトより)。灰色のライン:ポルトガル鉄道(CP)なども大まかに載っています。

バス/トラム/ケーブルカー/エレベーター(Carris)
リスボン市内を走るバス/トラム/ケーブルカー/エレベーターはどれも「Carris」という会社が運営しています。詳しい路線図などは公式サイトにて確認できます。どれも車内で現金を支払えば乗車できます(公式サイトを見る限りクレカタッチもいけるっぽい)が、若干料金が高いので交通カードnaveganteを使った方がお得です。
バス
バスはかなりの路線があり、地下鉄と組み合わせてうまく使えると非常に便利です。車内で乗車料金を支払った場合は2.2ユーロ、単独チケットのnaveganteカードなら1.85ユーロ、チャージしたnaveganteカードなら1.66ユーロです(2025年9月調べ)。

トラム
トラムは現在6路線、12E、15E、18E、24E、25E、28Eがあります。リスボン名物のレトロ感満載の市電です。中でも28Eは人気があり、移動手段としても便利ですが、乗って街並みを観たりして楽しむ人も多いようです。車内で乗車料金を支払った場合は3.2ユーロ、単独チケットのnaveganteカードなら1.85ユーロ、チャージしたnaveganteカードなら1.66ユーロです(2025年9月調べ)。


ケーブルカー
ケーブルカーは全3線あり、①Lavra線、②Gloria線、③Bica線です。丘の多いリスボンの街の低い所と高い所を結んでいます。こちらもリスボン名物ですね。車内で乗車料金を支払った場合は4.2ユーロ(2往復まで可能)、単独チケットのnaveganteカードなら1.85ユーロ、チャージしたnaveganteカードなら1.66ユーロです(2025年9月調べ)。2025年9月3日の脱線事故により現在運休しています。

詳細記事はこちらから。

エレベーター
リスボン観光でも人気のある「サンタ・ジュスタのエレベーター」です。Carrisが管理しているエレベーターはこれのみです。バイシャ地区とシアード地区にあるカルモ広場を結んでおり、最上階は展望台になってます。車内で乗車料金を支払った場合は6.1ユーロ(2回乗れる)、単独チケットのnaveganteカードなら1.85ユーロ、チャージしたnaveganteカードなら1.66ユーロです(2025年9月調べ)。

ポルトガル鉄道(CP)
CPはポルトガル国内を走っている国営鉄道です。

CPには都市間の長距離移動以外にも、リスボン市内とその周辺を走る近郊路線(Urbanos)があり、以下4線が運行しています。Sintra lineで世界遺産があるシントラまで行けますね。主にリスボン近郊へ行く時に利用価値がありますが、市内も走っているので地下鉄やバスと組み合わせると便利です。距離によって料金は変わります(2025年9月調べで1.45ユーロ~)。
- Sintra line
- Azambuja line
- Cascais line
- Sado line
以下がCPのリスボン近郊路線(Urbanos)の路線図です(公式サイトより)。

フェリー(Transtejo & Soflusa)
Transtejo & Soflusaは公共のフェリー会社で、テージョ川を挟んだ北岸と南岸を結んでいます。詳細は公式サイトにて。全部で5路線あり、料金は路線によって違います(2025年9月調べで1.45ユーロ~)。

FERTAGUS
FERTAGUS(フェルタガス)は民間鉄道事業者です。リスボン市内のローマ・アレエイロ(Roma-Areeiro)駅から、テージョ川を4月25日橋で渡り、セトゥーバル(Setubal)駅までを結ぶ鉄道路線です。路線図などの詳細は公式サイトにて。主に通勤路線として利用されているようで、旅行者はあまり使わないかもですね。
naveganteとは?
リスボンの交通機関に乗る時は、多くの場合交通カード「navegante」を駆使することになります。以前はViva Viagemと呼ばれていましたが、現在はnaveganteという名前になっているようです。naveganteはリスボンの地下鉄が発行している交通カードで、日本のSuicaやPASMOみたいなイメージです。地下鉄(メトロ)の券売機で購入できます。

naveganteカードの使用方法・料金まとめです(2025年9月調べ)。少しややこしいので、1つずつ詳しく解説していきます(地下鉄の公式サイトにも詳細あり)。
| 使用方法 | 対応の交通機関 | 料金 | カード発行料 |
| 単独乗車券 | 地下鉄/Carris | 1.85ユーロ | 0.5ユーロ (残高がある状態では他の用途に使えない) |
| ザッピング (チャージ) | 全ての交通機関 | 3ユーロからチャージ可能 (地下鉄/Carrisの乗車が1.66ユーロ、それ以外は事業者による) | |
| 24時間 乗り放題券 | 地下鉄/Carris | 7ユーロ | |
| 地下鉄/Carris/フェリー(Cacilhas) | 10ユーロ | ||
| 地鉄/Carris/CP | 11ユーロ |
単独の乗車券として使う
地下鉄またはCarris(バス/トラム/ケーブルカー/エレベーター)の1回券です。naveganteカード発行料0.5ユーロ+地下鉄またはCarrisの乗車料金1.85ユーロかかります(2025年9月調べ)。日本みたいに使い捨ての切符を買うというよりは、単独チケットの入ったnaveganteカードを買うというイメージですね。数回分まとめて買うこともできます。
単独チケットを最初に使用してから60分間、地下鉄とCarrisが乗り放題となります。地下鉄の連続乗車はできません(Carrisは連続乗車可能)。例えば、バス→トラム→地下鉄という乗り換えも60分以内なら1.85ユーロで行けるということです。
使い終わったら、naveganteカードは再度単独チケットを買う時に使用したり、別の用途(チャージしたり、24時間券にしたり)にすることができます。
最近はクレカタッチでも乗車できるみたいです。数回しか乗らないとか、naveganteカード発行したくない場合はクレカで乗車がよいかもですね。
チャージして使う(ザッピング)
naveganteカードをプリペイドカードとして使う方法です。ザッピングと呼ばれます。これが一番メジャーな使い方かもしれません。チャージしておけば、地下鉄とCarrisの1回の乗車料金が1.66ユーロとなります(2025年9月調べ)。単独券より少し安いです(60分間乗り放題になるなどの仕組みは単独チケットと同じ)。また、CP近郊路線、フェリー、FERTAGUSなどにも使えます(料金はそれぞれの事業者による)。
チャージ可能な金額(ユーロ)は、3、5、10、15、20、25、30、35、40です。naveganteカードを発行する場合は0.5ユーロがかかります。
デメリットはチャージした金額の端数が戻ってこないということです。計画的にチャージする必要がありますが、それでもほぼ必ず端数は出てしまうと思われます。また、残金がある状態では他の用途(単独チケットや24時間乗り放題)に切り替えることができないようなので注意が必要です。
24時間乗り放題券として使う
naveganteカードを1日乗り放題チケットとして使用する方法です。どの交通機関を乗り放題にするかで値段が変わってきます。最初に使用してから24時間有効です。期限が過ぎたら、naveganteカードはチャージしたりなど別の用途に使うことができます。
①地下鉄/Carris乗り放題
地下鉄とCarris(バス/トラム/ケーブルカー/エレベーター)が乗り放題になります。naveganteカード発行料0.5ユーロ+7ユーロです(2025年9月調べ)。5回ほど乗れば元が取れますね。リスボン中心地を散策するならこれで十分かなと。
②地下鉄/Carris/フェリー(Cacilhas)乗り放題
地下鉄とCarrisに加えて、フェリーも乗り放題になります。フェリーはCacilhasに繋がる路線のみ有効です。naveganteカード発行料0.5ユーロ+10ユーロです(2025年9月調べ)。地下鉄とCarrisに加えてフェリーも楽しみたい人はおすすめです。
③地下鉄/Carris/CP乗り放題
地下鉄とCarrisに加えて、CP(ポルトガル鉄道)の近郊路線4つも乗り放題になります。naveganteカード発行料0.5ユーロ+11ユーロです(2025年9月調べ)。自分はCP路線沿いにホテルを取ってあったので、こちらを購入しました。地下鉄とCarrisに加えてCPも利用したい人はおすすめです。
naveganteカードの買い方/チャージ方法
交通カードnaveganteは、リスボン地下鉄(メトロ)駅の券売機で購入できます。また、Carrisのショップやキオスクでも購入できるみたいです(公式サイトにマップあり)。
以下写真付きで買い方を説明します。操作は難しくなく、誰でも簡単に買えます。2024年4月時点のものなので画面仕様が現在と異なる可能性があります(表示料金も当時のものです)。
リスボン空港に着いてから、空港の地下鉄駅Aeroportoで購入しました。券売機がたくさん並んでいます。

支払いは現金でもクレカでも行けますね。また、すでにnaveganteカードを持っていて追加でチャージする時や、空になったnaveganteカードを単独チケットや24時間乗り放題で使えるようにしたい時などは、写真の「Travel card reload」のところにnaveganteカードを挿入します。

自分は地下鉄/Carris/CPの24時間乗り放題を購入したので、その時の流れを解説します。画面はポルトガル語なので、まず画面左下の国旗のマークから英語に変換します。

チャージする時は機械にnaveganteカードを挿入して、「Insert card to reload/read」へ進みます。今回は初めてnaveganteカードを購入するので、2つ目の「Card purchase」へ進みます。

まずnaveganteカードの発行料がかかります。機械はViva Viagemカードという名前になっていますが、気にせず購入する枚数を決めて右下のボタンで次に進みます。画面は2人分の料金になっています。

次に使用方法を選択します。今回自分は地下鉄/Carris/CPの24時間乗り放題が欲しかったので、一番下を選択しました。ちなみに上から単独チケット購入の場合、チャージする場合、24時間券を購入する(3パターン)場合となっています。

内容が表示されて問題なければ進みます。画面は2人分になっています。

合計金額を確認し、現金かクレカどちらで支払うかを選択します。画面は2人分になっています。

支払いが完了して少し待つと、機械の下からカードが出てきて完了です。

リスボアカード
交通カードnaveganteとは別に、リスボンの交通機関乗り放題に加えて、52か所の観光施設が無料または割引になる「リスボアカード」というものもあります。博物館など観光施設をいくつか訪問したい人はこちらのチケットが断然お得ですね。
詳細は以下で解説しています。

まとめ
リスボンの交通機関と交通カード「navegante」のまとめです。
- リスボンは交通機関が発達しているので、使いこなせると旅がスムーズになる
- トラムやケーブルカーはリスボンの名物なので乗る価値あり
- 交通カード「navegante」は旅の行程に応じて、チャージまたは24時間乗り放題がおすすめ
- 博物館などリスボンの観光施設も訪問する場合はリスボアカードがお得


