2023年4月のカンボジア旅行記です。
世界遺産「アンコール」観光です。レンガ造りのシンプルな寺院「プラサット・クラヴァン」へ。プラサット・クラヴァンでは他の遺跡にはない貴重なレンガのレリーフを見ることができます。
世界遺産アンコールの全体の解説はこちら。アンコール朝の歴史と世界遺産を構成する各寺院を紹介しています。

プラサット・クラヴァンとは?
創設年 | 921年 |
創設者 | ハルシャヴァルマン1世 |
宗教 | ヒンドゥー教 |
形態 | 平地式/展開式 |
建築材 | レンガ |
「プラサット」は寺院、「クラヴァン」は香りの良い花の名前です。921年にヤショーヴァルマン1世の息子ハルシャヴァルマン1世(在位889〜910年)により、ヒンドゥー教寺院として建造されました。
基壇の上に5基のレンガ祠堂が東向きに一列に並んでいるだけの非常にシンプルな構成です。
1964年からフランスにより修復され、保存状態も良いです。
プラサット・クラヴァンの見どころは、祠堂内部のヴィシュヌ神やその妻ラクシュミーのレンガのレリーフです。クメール建築では、レンガ建築の寺院でもレリーフは砂岩に彫られることも多いですが、ここでは美しいレンガのレリーフを見ることができます。
以下ではクメール建築を楽しむためのポイントを紹介しています。ご覧ください。

場所・料金・営業時間
プラサット・クラヴァンは、アンコール・ワットから東に5kmくらいの所に位置しています。
プラサット・クラヴァンは「アンコールパス」というチケットで入場できます。
チケット詳細とおすすめ観光ルートを以下の記事で紹介しています。

プラサット・クラヴァンの営業時間は7:30〜17:30です。
プラサット・クラヴァンの全体図
非常にシンプルな構成で、祠堂内部のレリーフを見学することがメインとなります。観光の所要時間は30分もあれば十分です。現在見ることができるレリーフはヴィシュヌ神とその妻ラクシュミーのみですが、かつては各祠堂にはそれぞれヒンドゥー教の神が祀られていました。レリーフを見るだけなので観光の所要時間は30分程度です。

テラスから見る祠堂群
プラサット・クラヴァンの敷地内には、5つの祠堂群が一列に並んでいます。全て東側を向いています。修復もしてあり、かなり綺麗です。

後ろ側に回りました。一列に並ぶ祠堂は他ではあまり見られないかと思います。そして観光客が1人もいませんでした。人気がないのか?


レンガの美しいレリーフ
プラサット・クラヴァンの見どころは祠堂内のレンガのレリーフです。クメール建築でのレリーフは、最初期(世界遺産のサンボー・プレイ・クックなど)を除けば基本的に砂岩に彫られるのですが、ここではレンガに彫られたレリーフを見ることができます。レンガのレリーフは耐久性がなく崩れていることが多いですが、ここのレリーフは保存状態がとても良いです。他のアンコール遺跡では見られない美しいレリーフです。
中央の祠堂内部です。壁3面にヴィシュヌ神の大きなレリーフが目に飛び込んできました。ちょっとしたレリーフ博物館です。祠堂内には入ることができないので、入口から身体を伸ばして見ることになります。
まず正面には8本腕のヴィシュヌ神です。周りには瞑想する人々も描かれています。非常に細やかに表現されています。祠堂中央にはヨニがあります。

右手の壁面には、ガルーダに乗るヴィシュヌ神です。ガルーダの背中の羽がとても躍動感があります。

左側の壁面には、ヴィシュヌ神が3歩で世界を跨ぐ様子を描いたレリーフです。非常に綺麗な状態で残っています。

続いて、祠堂群に向かって一番右手(北側)にある祠堂内部です。こちらも内部には入れません。ヴィシュヌ神の妻ラクシュミーと祈りを捧げる人々のレリーフです。正面は少し剥がれていますが、左面が綺麗に残っていますね。宮殿にいる様子でしょうか。祠堂中央にはヨニがあります。


右面のラクシュミーは崩れて足のみになっています。写真右側は見切れていますが、クメール語の碑文です。

まとめ
世界遺産プラサット・クラヴァン観光のまとめです。
- 5基のレンガ祠堂が横一列に並ぶという変わった構成
- 祠堂内のレンガのレリーフが非常に美しい
- 観光客も少な目で穴場スポットか?
- レリーフを見るだけなので観光の所要時間は30分くらい