2024年4~5月のポルトガル旅行記です(料金は2026年2月調べのものを記載してます)。
ポルト郊外の街ブラガ(Braga)にある世界遺産「ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域」を観光しました。エスピーニョ山の斜面に広がるカトリックの聖地で、芸術的かつ素晴らしいロケーションでした。ポルトから日帰りで十分行くことが可能です。
この記事では「ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域」が世界遺産に登録された理由や歴史、行き方、見どころ、チケット料金などを解説していきます。
世界遺産「ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域」とは?
「ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域」は2019年に世界遺産に登録されました。ボン・ジェズス(Bom Jesus)は「善きイエス」「聖なるイエス」の意味です。
ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域は、エスピーニョ山の山頂にあるボン・ジェスス聖堂を中心とした聖域で、キリスト教カトリックにより造られた「サクロ・モンテ」です。
サクロ・モンテとはイタリア語で「聖なる山」を意味し、カトリックの宗教施設の1つです。山中に造られた各建物に聖書のあらゆる場面が彫刻や絵が飾られ、それらを順番に巡礼することができるようになっています。

サクロ・モンテは15〜16世紀に聖地イェルサレム巡礼の代行(当時イェルサレムはオスマン帝国の支配下にあり巡礼困難)として始まり、特に16世紀初頭の宗教改革以降は、新たに誕生した勢力プロテスタントに対抗するために各地に造営されました。有名なものだと、北イタリアのサクロ・モンテ9つが世界遺産に登録されています(ピエモンテ州とロンバルディア州のサクリ・モンティ)。
ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域は15世紀頃から徐々に建物が建てられ、何世紀にも渡り整備されていきました。
ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域は、以下の理由で世界遺産に登録されました。
- ボン・ジェズス・ド・モンテ聖域は、人類史において極めて重要なキリストの受難を完全かつ精緻に物語っており、また比類なき記念碑性を備えた聖なる丘である(登録基準4)
ボン・ジェズス・ド・モンテ聖域はエスピーニョ山の美しい風景と調和しており、「文化的景観」としても評価されています。文化的景観とは世界遺産の概念で、人間が自然とともに生み出した景観を指します。
| 登録名 | ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域 (Sanctuary of Bom Jesus do Monte in Braga) |
| 国 | ポルトガル |
| 登録区分 | 文化遺産(文化的景観) |
| 登録基準 | (4) |
| 登録年 | 2019年 |
ポルトからの行き方
世界遺産ボン・ジェズス・ド・モンテ聖域の場所は以下となります。ブラガの中心部から少し離れています。
ポルトから十分日帰り可能です。ポルトからの行き方ですが、まず電車か長距離バスでブラガまで行き、その後市バスを使用してボン・ジェズス・ド・モンテ聖域まで行くことになります。
電車での行き方
ブラガまでポルトガル鉄道(CP)を使った行き方です。自分はポルトのサン・ベント駅から電車で行きました。
CPのポルト近郊線を使うことになります。以下がポルト近郊線の路線図です(公式サイトより)。緑色のブラガ線に乗車し、終点駅ブラガで降ります。

以下はCPのサイトにて検索した画面の一部です。本数もそれなりにあります。詳細は公式サイトにて。

ポルトガル鉄道(CP)の検索・予約方法などは以下にて解説しています。

ポルトからブラガへ行く場合、ポルトエリアで使える交通カード「Andante」は利用できません(ブラガはエリア外のため)。サン・ベント駅にてCP用?のカードである「Siga」を0.5ユーロで購入し、ブラガまでの運賃をチャージしてもらいました。券売機でも買えますが、自分は窓口にて購入しました。

1時間強でブラガ駅に到着です。

ここからボン・ジェズス・ド・モンテ聖域まではバスで行けます。バス停はブラガ駅の目の前の「Rotunda Estação I」です。Google Mapに対応しているので路線検索は容易です。2番バスに乗れば乗り換えせずに聖域の麓のバス停「Bom Jesus」まで行けます。1時間に2本くらい出てる感じですね。料金は1.55ユーロです。

20分ほどで到着します。以下が終点「Bom Jesus」バス停です。

長距離バスでの行き方
ポルトからブラガまでRede ExpressosやFlix Busの長距離バスを使って行くこともできます。本数も結構多いです。電車とそこまで料金の差は無いですね。
以下はRede ExpressosとFlix Busのアプリで検索した画面の一部です。
Rede Expressosや Flix Busの検索・予約方法などは以下にて解説しています。

長距離バスを使う場合は、出発場所はCampanhãのバスターミナルです。
到着はブラガのバスターミナルになります。ブラガ鉄道駅から少し離れています。
ブラガのバスターミナルの周囲にいくつかバス停があります。Google Mapで検索すると市バスを乗り継いでボン・ジェズス・ド・モンテ聖域まで向かう感じになるかなと思います。
料金・営業時間
ボン・ジェズス・ド・モンテ聖域は入場チケットはなく無料で観光できますが、ボン・ジェズス聖堂の博物館エリアは1ユーロ必要です(自分は行ってないです)。聖域のオープン時間は8時~19時です。詳細は公式サイトにて。
また、ケーブルカーで麓から山頂の聖堂エリアまで行くことができ、乗車する場合は料金が必要です。麓のケーブルカー乗り場は到着したバス停「Bom Jesus」の目の前にあります。片道2.5ユーロ / 往復4ユーロです。詳細は公式サイトにて。

ケーブルカーを使えば楽にボン・ジェズス聖堂の目の前まで行けますが、少し大変でも麓から歩いた方が途中で史跡などをたくさん観れて楽しめます。
聖域の全体図
ボン・ジェズス・ド・モンテ聖域の全体図です。エスピーニョ山の斜面に聖域が広がっており、山頂の④ボン・ジェズス聖堂を中心に礼拝堂、階段、噴水、庭園、広場など見どころが広く点在しています。徒歩で登る場合は図の赤矢印が聖域入口となります。山頂までは約600段ほどの階段です。麓から徒歩で往復する場合は観光の所要時間は3時間くらいみておくとよいかなと思います。ケーブルカーを使えば時間は短縮できます。

①ポルティコの階段(376段)
②五感の階段(104段)
③三徳の階段(93段)
④ボン・ジェズス聖堂
⑤サントゥアーリオ・ド・ボン・ジェズス庭園
旅行レジャー・予約サイトKLOOKにて、ポルトから世界遺産ブラガ・ギマランイスへの日帰りツアー(ガイド付き)も出ていますので、気になる人は要チェックです。
主な見どころ
ボン・ジェズス・ド・モンテ聖域の見どころを順番に解説していきます。
①ポルティコの階段(376段)
自分は山頂まで歩きました。麓のバス停から少し移動すると入口の門が見えます。

歩きやすいですが、道はジグザグです。朝から訪問したこともあり誰もいないです。空気が気持ちが良いですね。ハイキング気分で来るのもよいかなと思います。

途中には以下のような小さな礼拝堂が点在しています。

各礼拝堂は中に入れませんが、覗くとイエス・キリストの受難のシーンが再現されています。これは超有名なシーン「最後の晩餐」です。イエス・キリストが十字架にかけられる前夜、12人の弟子(使徒)との最後の食事の場面です。この中に裏切り者のユダがいます(多分一番右端)。

ユダの裏切りによりローマ帝国総督のポンティウス・ピラトゥスに捕らえられたイエス。身体には拷問を受けた傷があります。

上記の写真は一部ですが、麓から順番に各礼拝堂を訪問すれば、時系列でキリストの受難のシーンを見ることができます。そもそもサクロ・モンテはプロテスタントに対抗する側面があるため、信仰教育の一環として受難の場面などが分かりやすく視覚的に表現されていることが特徴です。説明もあるので確かに分かりやすいし、順番に見ていくと楽しいと思います。
②五感の階段(104段)
ボン・ジェズス・ド・モンテ聖域の中腹に到着です。目の前にはバロック様式の立派な「五感の階段」、遠くにはボン・ジェズス聖堂が見えます。逆光なのが残念です。

ちなみにお昼頃になれば逆光ではなくなるので、綺麗に写真が取れます。

中腹からの景色です。ブラガの街が見渡せます。気持ち良いですね。

五感の階段は全部で104段で、ジグザグになっています。六段構造で、多数の像が配置されており、各段の中央には泉があります。泉は6つあり、そのうち5つの泉はそれぞれ五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を表しています。

途中に小さい礼拝堂がいくつかあり、ここでもキリストの受難のシーンを見ることができます。こちらはイエス・キリストが重い十字架を背負い、ゴルゴダの丘へ向かうシーンです。ローマ兵により首輪をつけられてます。1番左にいるのは母マリアかなと思います。

イエスが十字架に磔にされるシーンです。ローマ兵により釘で打ち付けられる残酷な様子です。イエスのすぐ近くで泣いてるのは母マリアかなと。

次に5つの泉(五感の泉)を見ていきます。まず視覚の泉。目から水が湧き出てます。バロック調の素敵な造りで厳かな雰囲気がありますが、これは笑ってよいのでしょうか…。

聴覚の泉。耳から水が湧き出てます。

嗅覚の泉。

味覚の泉。1番インパクトありました(笑)。

最後は触覚の泉。今までのものに比べると普通な感じです。

③三徳の階段(93段)
まだ階段は続きます。「三徳の階段」です。全93段で五感の階段と同じ造りです。ジグザグに登っていきます。

三徳の階段は三段構造で、先ほどと同じく格段の中央部分には泉(全部で3つ)があります。こちらは信仰の泉。

希望の泉。

慈愛の泉。

④ボン・ジェズス聖堂
三徳の階段を登り終えると山頂のボン・ジェズス聖堂エリアに出ます。

登ってきた階段です。向こうにはブラガの街並みが見えます。かなり高い所まで来てます。

聖堂エリアはかなり整備されており、美しい庭園もあります。

聖堂の左側にある人口の洞窟です。目の前は池になっています。とてもリラックスできる空間です。

こちらはケーブルカー乗り場です。今回は乗りませんでした。

聖堂の前にはイエス・キリストの処刑に関わった8人の像が建っています。こちらはローマ帝国の第5代ユダヤ属州総督ポンティウス・ピラトゥスです。イエスの処刑に関与した人物として有名です。

ボン・ジェズス聖堂のファサードです。聖堂は1784~1811年にかけて新古典主義様式で建造されました。

内部は天井が高く、荘厳な雰囲気が漂います。

ドーム天井です。窓も多く光がしっかり入ってくるので教会内部は明るいです。

主催壇です。ここでもキリスト受難のシーンが分かりやすく表現されています。他では見ない珍しい主祭壇です。

聖母マリアの彫像です。とても柔らかい表情で美しいです。

⑤サントゥアーリオ・ド・ボン・ジェズス庭園
ボン・ジェズス聖堂から少し歩いて「サントゥアーリオ・ド・ボン・ジェズス庭園」へ。広々として特に何もない広場です。ここは人少ないです。

広場中央にある渾天儀と十字架です。ポルトガルの大航海時代の繁栄と歴史を表しています。

広場にも以下のような礼拝堂がいつくかあります。

内部には入れませんが、ここでは処刑後のキリスト復活の場面が表現されているのかなと思いました。キリストの後ろには光輪があります。


広場からもブラガの街が見渡せます。

まとめ
世界遺産ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域の観光の見どころまとめです。
- ポルトから日帰り可能
- キリスト受難の場面が分かりやすく描かれている
- ケーブルカーもあるが麓から歩いて聖域を探索するのがオススメ
- 聖域全体が素晴らしいロケーションで居心地が良い
- 観光の所要時間は2~3時間程度(麓~山頂を徒歩で往復する場合は3時間見ておくとよいかなと)



