2024年4〜5月のポルトガル旅行記です(料金などは2025年9月時点のものを分かる範囲で記載してます)。
リスボン旧市街であるアルファマ地区にある「サン・ジョルジェ城」を訪問しました。サン・ジョルジェ城はリスボンで一番高い場所にあり、数ある展望台スポットの中でもイチオシの場所です。360度で街並みを観れます。夕日観光もありです。
この記事ではサン・ジョルジェ城の見どころを解説していきます。
サン・ジョルジェ城の歴史
サン・ジョルジェ城の起源は紀元前に遡ります。考古学調査ではケルト人、ギリシャ人、フェニキア人などが支配していたことが分かっており、その後ローマ人、西ゴート人と支配者が移り変わっていきました。
8世紀以降イベリア半島がイスラム勢力の支配下となり、11世紀中頃に本格的に城塞が建造されました(以下の写真はサンタ・ジュスタのエレベーターの展望台から見たサンジョルジェ城)。

イスラム勢力を排除する運動「レコンキスタ」の最中、1147年にポルトガル王国初代君主のアフォンソ1世がリスボンを奪還しました。
その後リスボンはポルトガル王国の首都となり、1255年にサン・ジョルジェ城は王国の宮殿となりました(アルカソヴァ城と呼ばれた)。イスラムが造った建物を生かしつつ、拡張されていきました。
16世紀初頭、ポルトガル王国アヴィス朝のマヌエル1世がテージョ川沿いに新たにリベイラ宮殿を建てたことで、サン・ジョルジェ城は王宮としての機能を失い、さらに1580年のスペインとの統合時代には要塞として使用されるようになりました。
1755年のリスボン大地震で崩壊し、その後改築されましたが、かつての古い建物はほぼ見ることができなくなりました。
20世紀の大改修にて、かつての王宮跡などが発見され、また考古学調査により様々な出土品が発掘され、歴史的価値が非常に高いと評価されようになりました。
ポルトガルの歴史に関しては以下で解説しています。

行き方・料金
サン・ジョルジェ城は、リスボン旧市街であるアルファマ地区にあります。737番のバスでサン・ジョルジェ城のエントランス手前まで行けます。Google mapで路線検索できます。

徒歩でも行けますが、高い場所に位置するので少し大変かもです。ただ徒歩だとサン・ジョルジェ城周辺の古い街並みを楽しむことができます。

着いたらアーチの入口から入ります。

少し歩くとチケット販売所が見えてきます。

2024年4月時点では入場料金は15ユーロでした。2025年現在も据え置きのようです(2025年9月調べ)。他の施設が軒並み上がってるのでありがたいですね。詳細は公式サイトにて。
リスボアカードがあれば無料で入れます。リスボアカードの詳細についてはこちらから。

チケット販売所は結構混雑しています。自分はリスボアカードを使いました。訪問時はリスボアカードを持っている人専用の列があり、そこに並んですぐに入れました。
また、旅行・レジャーの予約サイトKLOOKで優先入場のチケットを購入できます。並ぶのが嫌な場合は少しお金を出して購入するのもありですね。音声ガイドもセットになっています。KLOOKで予約!
営業時間は年中無休で9時00分~21時00分です。最終入場は20:00のようです。
図面
サン・ジョルジェ城のざっくりした全体の図面です。まず中に入ると公園エリアがあり、ここからでもリスボンの街並みを見渡せます。あとは常設展示館、一番の見どころの城塞、さらに考古学遺跡エリアがあります。城塞に登ればリスボンで1番高い所から街並みを見渡せます。観光の所要時間は1時間くらいかなと思います。

エントランスには以下のQRコードがありました。詳しいマップや歴史などの解説を見ることができます。日本語もあります。上の図面もここから拝借しています(写真のQRから読み込めます)。

リスボンの街並み
エントランスから入ると、まず広いエリアに出ます。緑豊かな公園になってます。

階段を登ればさらに高い所へ行けます。写真は階段を登った先から広場を撮ったものです。


階段を登ってから先に進みむと、常設展示館が右に見えます。建物を支えるアーチがあります。この辺りはポルトガル王国の宮殿があったらしいです。

砲台がいくつもあります。


サン・ジョルジェ城の見どころの1つ、目の前に広がるリスボンの街並みです。向こうにはテージョ川。ここに来てよかったと思える瞬間です。サン・ジョルジェ城の訪問はリスボン最終日だったので、この景色を目に焼き付けました。

屋根のカラーも統一感あってよいですね。

リスボンの展望台はいくつか行きましたが、ここは別格かなという感じがします。

敷地内にはかなりの数の孔雀がいました。しかも結構鳴いててうるさい(笑)。羽根は広げてくれませんでした。

常設展示物館
常設展示館です。無料で入れる小さな博物館で、サン・ジョルジェ城から出土品したものを展示しています。あっという間に見れるので、寄り道してみると楽しいですよ。展示の一部を紹介します。
こちらはいつの時代が分かりませんが、タイルです。結構綺麗な状態で発掘されたんですね。

11世紀のイスラム時代の埋葬地とのこと。あんまりイメージが湧きませんが、埋葬エリアの一部でしょうか。遺体は聖地メッカの方向に向けられて埋葬されていたとのことです。

紀元前450〜350年頃のワイングラスの破片です。フェニキア人の時代でしょうか?この破片で年代が分かる技術って凄いですね。こういうのを見て、2000年以上前に人がここに住んでたんだなと想像して遊びます。

こちらは4世紀の陶器の破片です。ランプを灯すための油を入れてた容器らしいです。デザインもお洒落そうです。

城塞
常設展示館から少し歩くと、サン・ジョルジェ城のメインの見どころ、城塞エリアがあります。城塞内の各所に関しては、QRコードを読み取ると詳しい解説があります。
入口部分です。石造りの強固な外観です。大分修復はされてると思います。

ちなみにサン・ジョルジェ城を上から見るとこんな感じです(Google Earth)。かなり立派ですね。

アーチを通って進みます。

城塞には広い中庭が2つあります。ここにある階段から城塞に登れます。

迷路のような作りです。




サン・ジョルジェ城の敷地内でも一番高い場所から眺めるリスボンの街とテージョです。素晴らしい一大パノラマ展望台スポットです。とても気持ち良いです。訪問時は曇ってましたが、夕日も格別なんでしょうね。



お約束の額縁構図です。良いですねー。

城塞を後にして次に向かったのは考古学遺跡エリアです。特に格別見るべきものはないですが、紀元前に遡る住居の遺構などが見つかっており、歴史的に非常に価値があるエリアです。

まとめ
サン・ジョルジェ城の観光、見どころのまとめです。
- 紀元前から存在し、歴史的にも貴重な場所
- リスボンの中でも一番高い位置にあり、おすすめ展望台スポット(21:00まで開いているので夕日鑑賞もあり)
- 一番の見どころは城塞から見るリスボンの街並み
- 観光の所要時間は1時間くらい
- サン・ジョルジェ城周辺(アルファマ地区)は古い街並みを楽しめる