2024年4~5月のポルトガル旅行記です(料金は2025年10月調べのものを記載してます)。
リスボンから日帰りで世界遺産「シントラの文化的景観」へ行きました。シントラの世界遺産で訪問したのは、ペーナ宮殿、ムーアの城跡、レガレイラ宮殿です。まず朝一にペーナ宮殿を訪問し、続いてすぐ近くのムーアの城跡、その後はレガレイラ宮殿へ。レガレイラ宮殿は礼拝堂などの建物も素晴らしいですが、最大の見どころは迷路のように広い庭園です。洞窟や井戸などが複数あり、冒険気分で探索できるのが魅力です。
この記事ではレガレイラ宮殿の見どころや歴史、行き方や料金など解説していきます。
世界遺産「シントラの文化的景観」の全体の解説は以下から。

レガレイラ宮殿の歴史
世界遺産レガレイラ宮殿(Quinta da Regaleira)の簡単な歴史解説です。
レガレイラという名前は、元々この土地を所有していたレガレイラ子爵夫人に由来します。
1892年にこの土地を入手したブラジル系ポルトガル人カルヴァリョ・モンテイロは、イタリア人建築家ルイジ・マニーニの協力を得て、マヌエル様式やゴシック様式など様々な要素が混在する建造物や迷路のような庭園を造りました。
1942年にワルデマール・ドレイに売却され、彼の邸宅として利用されました。
1987年に日本の青木商事に売却され、住居としての使用は停止されました。青木商事は10年間非公開にしていました。
1995年に「シントラの文化的景観」の構成資産として世界遺産に登録されました。
1997年にシントラ市議会が取得し、一般公開されました。
レガレイラ宮殿の行き方
レガレイラ宮殿への行き方ですが、シントラ駅前からScotturb社の巡回バス435番で行くことができます。始発は9:00で、10分置きに出ています。自分はムーアの城跡から移動したので、一旦434番バスでシントラ宮殿まで行き、その後レガレイラ宮殿までは歩いていきました。

自分はリスボンから日帰りでシントラへ行きましたが、リスボン・シントラ間の電車とシントラ観光のバス(434/435番)が乗り放題になるお得なチケットを使いました。巡回バスの乗車料金は1回4.55~5ユーロと高めで、数回乗るなら乗り放題チケットを買った方がお得です。詳しい解説は以下から。

レガレイラ宮殿の入場料金と営業時間
レガレイラ宮殿のエントランスです。お昼過ぎくらいに着きましたが、けっこう混んでました。

入口の門は捻じれたロープ、円錐の塔、植物模様などマヌエル様式がたくさん取り入れられてます。マヌエル様式はポルトガル独自の建築(装飾?)様式で、主に海や航海に関するレリーフが過剰に施されるのが特徴です。


レガレイラ宮殿の入場料金と営業時間は以下となります(2025年10月調べ)。2024年4月時点では12ユーロでしたが今は値がりしています。
- 入場料金:15ユーロ
- 営業時間:10:00~19:30(最終入場17:30)
詳細は公式サイトにて(日時指定での予約が必要)。リスボアカードがあれば10%割引になりますが、無料にはならないのでお得感は低いです。
2024年4月時点では無かったのですが、現在は時間ごとに入場できる人数に制限があるようので、事前予約がよいかもしれません。オンラインで予約する際は手数料も若干かかります。
また、旅行・レジャー予約サイトのKLOOKにて、レガレイラ宮殿の入場チケットやツアーなどもありますのでこちらもチェックしてみてください。→KLOOKで予約!
レガレイラ宮殿の全体マップ
レガレイラ宮殿の全体マップです。地図は公式サイトよりDLできます。敷地内はかなり広く、美しい建物以外にも、湖や洞窟、井戸など様々な施設があります。主な見どころは宮殿、礼拝堂、イニシエーション・ウェル(井戸)あたりかなと思います。自分はメインでこの3か所を観光しましたが、所要時間は1時間30分くらいでした。しっかり敷地内を観光する場合は2時間~2時間30分くらいかかるかもしれません。

マップ上の番号やアルファベットは以下の建物・施設となります。太字は主な見どころとなるであろう観光スポットです。
主な建物 ①レガレイラ宮殿(Regaleira Palace) ②礼拝堂(Regaleira Chapel) ③温室(Greenhouse) ④オフィス(Cultursintra Foundation offices) ⑤馬車小屋(Coach Houses) ⑥芸術工房(Arts Workshop) ⑦レガレイラタワー(Regaleira Tower) ⑧豊かさの噴水(Fountain of Abundance) ⑨トキの噴水(Ibis Fountain) ⑩ロッジア(Loggia) | 庭園の主な施設 A.イニシエーション・ウェル(Initiation Well) B.未完成の井戸(Unfinished Well) C.守護者の入口(Guardians’ Entrance) D.聖母の洞窟(Grotto of the Virgin) E.滝の湖(Waterfall Lake) F.水族館(Aquarium) G.東の洞窟(Eastern Grotto) H.テニスコート(Tennis Court) I.レダの洞窟(Leda’s Grotto) J.迷宮の洞窟(Labyrinthic Grotto) K.名前のない湖(Unnamed Lake) |
礼拝堂
レガレイラ宮殿内に入って、まず目指したのは礼拝堂(マップ②)です。マヌエル様式の建物です。レガレイラ宮殿の敷地内にある建物は基本的にマヌエル様式の要素がたくさん見られます。

礼拝堂を上から見た図です。

立派な塔です。

礼拝堂の正面入口です。至る所にサンゴや海藻のようなレリーフがあります。マヌエル様式の特徴です。細かな装飾でとても見応えがあります。

左右には聖人の彫像が置かれています。


残念ながら内部は修復中で入れませんでした。床に十字架の絵があるのですが、シートで覆われていて見れませんでした。

入口あたりにこんなものもありました。フリーメイソンのシンボル、プロビデンスの目です。レガレイラ宮殿を造ったカルヴァリョ・モンテイロはフリーメイソンだったらしいです。

宮殿
続いて宮殿(マップ①)へ。礼拝堂から宮殿へ行く途中にベンチがあるのですが、これまた凄い装飾。渾天儀やサンゴ、捻じれたロープなどマヌエル様式の装飾のオンパレードです。

宮殿の外観は礼拝堂と似たような印象です。窓枠のマヌエル様式の装飾が見事です。


宮殿内への入口です。

内部もマヌエル様式でしっかり装飾されています。ペーナ宮殿やジェロニモス修道院で見かけたものと同じような天井のリブです。

この部屋の床はモザイク画となっています。

こちらはリビングでしょうか。木の装飾がメインで温かみがあります。天井の装飾は他で見ないようなデザインです。


こちらの部屋は壁一面に絵が描かれています。天井は植物模様の豪華なレリーフです。イスラムの影響を感じますね。


井戸(イニシエーション・ウェル)
レガレイラ宮殿の一番人気の見どころイニシエーション・ウェル(マップA)へ向かいます。イニシエーション・ウェルは「始まりの井戸」という意味です。敷地内には井戸が2つあり、もう1つは未完成の井戸(マップB)です。
イニシエーション・ウェルへ向かう途中にあるレガレイラタワー(マップ⑦)です。強固な石造りの塔です。登ることもできます。この下はレダの洞窟(マップI)となっています。

こちらは守護者の入口(マップC)です。

内部は洞窟となっており人もいますが、こちらからは入れません。


イニシエーション・ウェルまで来ました。人気観光スポットなので結構長蛇の列です。10~15分くらい並んだかなと記憶しています。

イニシエーション・ウェル内部です。27メートルある螺旋階段で降りて行けるようになっています。イニシエーション・ウェルは水源として利用されたことはなく、フリーメイソンやその他の秘密結社の入会儀式の場に使われていたとのことです(目隠しをして降りていったらしい)。「始まりの井戸」という名前はここに由来しているんでしょうね。

ひたすら降りていきます。他で見たことない何とも不思議な場所です。観光客も盛り上がっています。


底から見上げてみると神秘的な雰囲気を感じます。

井戸の底は洞窟となっています。レガレイラ宮殿がドラクエなどのRPGの世界観とよく言われるのが分かります。ドラクエも井戸の中が洞窟になっていたりしますもんね。

イニシエーション・ウェル内部は、以下のように庭園の各施設へ繋がっています(Wikipediaを参照)。A.イニシエーション・ウェルから、B.未完成の井戸、C.守護者の入口、E.滝の湖、G.東の洞窟に行けます。

こちらは滝の湖(マップE)です。人気スポットなので、外にも観光客がたくさんいます。ここから外に出ることはできなさそうです。



こちらは未完成の井戸(マップB)です。この井戸はイニシエーション・ウェルに比べてかなり小さいです。この後は少し洞窟内を歩いて東の洞窟(マップG)から外に出ました。

冒険気分を十分堪能してレガレイラ宮殿を後にしました。出口も立派なマヌエル様式です。


まとめ
世界遺産レガレイラ宮殿の観光・見どころのまとめです。
- マヌエル様式の建造物を堪能できる
- 最大の見どころはイニシエーション・ウェルで、洞窟内を探索するのが楽しい
- 敷地がかなり広く、主要なものを観光するだけなら所要時間1時間30分ほど
- 時間ごとに人数制限があるので事前予約が無難かも