2022年6月のハンガリー旅行記です。
ハンガリーの南東の街ペーチ。そこにある初期キリスト教の墓地へ。いわゆるカタコンベ(地下墓所)です。
年代的には4世紀頃の古代ローマ時代に遡り、歴史的意義も非常に高い世界遺産ですね。
実際見に行ったので、そのレポートです。
世界遺産の初期キリスト教墓地とは?
登録名 | ペーチの初期キリスト教墓所 |
登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3)、(4) |
登録年 | 2000年 |
初期キリスト教の墓地は、「ペーチの初期キリスト教墓所」として2000年に世界文化遺産として登録されました。
墓所があるペーチは、以前はソピアナエと呼ばれる都市で、ローマ帝国の属州パンノニアの1都市でした。
4世紀頃から墓所が建造されはじめ、多くのキリスト教徒が埋葬されました。墓所に描かれた壁画など芸術性が高く評価されています。
これらの墓地遺跡は、18世紀以降発見されました。全部で以下の16墓地遺跡が構成資産として登録されています(ユネスコのサイトより引用)。
- 埋葬室1 – 9 (Burial Chamber I – IX)
- ケラ・トリコラ (The Cella Trichora)
- ケラ・セプティコラ (The Cella Septichora)
- 初期キリスト教徒の霊廟 (The Early Christian Mausoleum)
- 初期キリスト教徒の墓地礼拝堂 (The Early Christian Burial Chapel)
- 対になった壁画墳墓 (The Painted Twin Grave)
- 壁画のない埋葬室 (Unpainted burial chamber)
- 共同体埋葬室 (Communal burial chamber)
初期キリスト教墓地の歴史
ペーチ(ソピアナエ)は、ローマ帝国の属州パンノニアの都市として、4世紀頃大いに繁栄していました。
当時、すでにキリスト教は成立していましたが、非合法の宗教として迫害されていました(ローマは多神教なので)。
古代のキリスト教徒らは自らの信仰を守るため、4世紀頃ペーチの北側に地下墓所(カタコンベ)を作り、ここで祈りを捧げるなどして信仰を守りました(ローマの支配地域にカタコンベはたくさんあります)。
キリスト教が公認され、ローマ帝国の国教となった以降も、8世紀まで多くのキリスト教徒たちが葬られたと言われています。
ペーチへのアクセス
ペーチ(Pécs)はブダペストの南東にある街です。ブダペストから鉄道を使ってアクセスできます。
自分らはミシュコルツにいたので、そこからブダペストへ戻り、乗り換えてペーチへ向かいました。ちなみにブダペストから日帰り可能ですね
前もってブダペスト東駅(Budapest-Keleti)→ペーチ駅(Pécs)の乗車券を購入していたのですが、ミシュコルツからブダペストへの鉄道の到着時間が30分ほど遅れ、次の電車への乗り換えに失敗しました。
そしてなんと払い戻しができず!どうやら30分程度の遅れで乗り換え失敗した場合は、払い戻しを受け付けてくれないようです。仕方なく、ブダペスト→ペーチの乗車券を再度購入しました。乗り換えの鉄道チケットはかなり余裕のある時間で購入した方がよいですね。ハンガリーの鉄道に何回か乗りましたが、結構遅れての到着がありましたので。
計画より大幅に遅れてペーチへ到着です。
駅構内にはグランドピアノがあり。子供が遊んでました。
立派な駅ですな。
ペーチ駅にて、24時間乗り放題のバスチケットも買えます。翌日の6/24の朝に買いました。1100フォリントでした。写真は、2022年の6月4日の9:25に買ったよという意味です。
初期キリスト教墓地
世界遺産の初期キリスト教墓地がどこにあるかの分かりやすマップを発見!各地に点在してますが、マップを見る限り全て徒歩圏内ですね。ただ、合わせてペーチの街を色々と観光する場合は、バスも駆使した方が良いと思います。それなりに広いです。
構成資産は16か所かと思ってましたが、このマップだと18か所ありますね。謎です。あと世界遺産登録されていても未公開の墓所(⑬~⑱)もあるんですね。
まず訪れたのは、マップの⑨「初期キリスト教徒の霊廟 (The Early Christian Mausoleum)」です。
おそらく礼拝堂の基壇かと思われます。近くにヴィジターセンターがあります。向こうに見えるのはペーチ大聖堂です。
ヴィジターセンターは壁の角の世界遺産マークがあるという、凝ったデザインです。
中に入ります。入場料は1500フォリントです(2022年6月時点)。世界遺産ではないですが、中世のペーチの大学の遺跡にも入れるチケットでした。
模型を見ると、礼拝堂の基壇の地下に墓所があるのが分かりますね。
中に進んでいきます。
きましたね!古代のキリスト教墓所!
フレスコ画も残っていて、かなり状態が良いのではないでしょうか?これが今から1700年前のものと考えると興奮しますね。
アダムとイブのフレスコ画です。
大きな石棺です。レリーフもかなり綺麗に残っていますね。
The Early Christian Mausoleumをあとにして、次へ。他の墓所にも行く気満々でしが、なんと工事中でした…。残念。
多分ここから入って、マップの①~⑧の墓所を見ることができると思われるのですが…。
工事はしょうがないので、残りの⑩~⑫を目指しましたが、地図を見ながら行こうとしてもどうしてもたどり着けず。世界遺産のマークはあるのに。
⑩「初期キリスト教徒の墓地礼拝堂 (The Early Christian Burial Chapel)」ですが、住宅の中庭にあるような気がしますね。どうしても見たかったので、思い切って呼び鈴を鳴らしました(笑)。しかし誰も出てこず。
⑪と⑫に関しても、人に聞いても誰もわからず。世界遺産なのになぜだ!と思いながら、ヴィジターセンターに戻り、係の人に聞いてみたら(しつこい)、現在は⑨「初期キリスト教徒の霊廟 (The Early Christian Mausoleum)」しか観光できないらしい…。
少し腑に落ちませんが、工事完了後にはペーチを再訪しなきゃなと思いました。
まとめ
世界遺産ペーチの初期キリスト教墓所のまとめです。
- ブダペストから日帰り可能
- 現在工事中なので、しっかり観光したい人は注意
- 4世紀の遺跡だが、かなり状態がよい
- フレスコ画が綺麗、1700年前のものとは思えない
以上となります。個人的にペーチはいつかまた行きます!
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