ベトナム

【世界遺産】フエ「カイディン帝廟」フランスの影響を強く受けた独特な廟

カイディン帝廟 ベトナム

2023年4月のベトナム旅行記です(料金などは2025年時点のものを分かる範囲で記載してます)。

フエ滞在2日目は、現地ツアーに参加して帝廟や寺院などを巡りました。フエの世界遺産「フエの建造物群」を構成する資産の1つ「カイディン帝廟」を訪問しました。カイディン帝は阮朝12代皇帝です。他の皇帝廟とは明らかに異なる、中国とフランスの折衷様式の素晴らしい廟でした。この記事ではカイディン帝廟の見どころなど紹介していきます。

世界遺産「フエの建造物群」の全体の解説や阮朝(グエン朝)の歴史はこちらから。

【世界遺産】「フエの建造物群」解説!構成資産全14件の見どころと阮朝の歴史
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ツアーを利用するのもアリ

フエの世界遺産はかなり広範囲で、自力で移動するより、現地ツアーを使って主要なものを観光するのが効率的です。

自分たちは、フエ初日に王宮とトゥドゥック帝廟、2日目はツアーを使って他の帝廟や寺院に行きました。王宮の観光はかなり時間がかかるので、ツアーで行くと見る時間が少な過ぎて、じっくり見たい人は若干不完全燃焼かもしれません。

今回使ったツアーはベトナムお馴染みのツアー会社「シンツーリスト」です。バス移動費と英語ガイドとランチ付きの1日フルのツアーで30万ドン(1800円くらい)ほどでした。ただし入場料は含みません。色んなフエ世界遺産ツアーがあるようです。

TheSinhTourist | Travel in VietNam | SinhCafe | Sinh Tourist

あと、お馴染みの「klook」でもフエの世界遺産のツアーが提供されてます。klookの会員登録の際に以下の紹介コードを入力していただくと、登録後すぐに500円もらえますので、是非活用ください!

紹介コード:LPPU3Y

klook.com

カイディン帝廟の場所・料金

世界遺産カイディン帝廟は、フエ王宮から南へ9キロほど行った所に位置します。ミンマン帝廟から4キロほどなので、合わせて訪れたいですね。フエの世界遺産のツアーでは、おそらく両方行くことになると思います。

カイディン帝廟の入場料は、15万ドン(900円弱)でした。フエ王宮も行く人はセット購入しましょう。少し安くなります。

セット購入の場合、王宮にプラスして「トゥドゥック帝廟」「カイディン帝廟」「ミンマン帝廟」のどれを組み合わせるかで値段が変わってきます。王宮+帝廟2つで42万ドン(2500円弱)、王宮+帝廟3つで53万ドン(3000円強)です。注意点としては、チケットは2日間有効ですが、各遺産への入場は1回限りです。2025年現在もこの料金のようです。

フエ王宮

カイディン帝はどんな人?

廟で祀られているカイディン帝は、阮朝末期の12代目皇帝です。フランスにより擁立されたこともあり、親仏の皇帝として有名です。在位は1916〜1925年のおよそ10年間です。

カイディン帝

カイディン帝は、1922年にフランスのマルセイユで開催された博覧会に出席しました。初めてのフランス訪問です。そこで見たフランスの建造物に感銘を受け、それ以降親仏の傾向がとても強くなりました。1922年以降にカイディン帝が関わった建物は、西洋の要素が取り入れられていることが多いです。

1920年着工のカイディン帝廟にも西洋の様式が取り入れられました。カイディン帝が亡くなった後も造営は続き、1931年に完成しました。廟内では、中国と西洋の折衷のオリジナリティ溢れる建築を見ることができます。当時は建築のためにかなりの増税があり、国民の反感を買ったようです。

また、カイディン帝の時代に、中国式の官僚登用試験「科挙」が廃止され、文字がこれまでのチュノム(漢字を応用したもの)から現在のベトナム語にあたる「クォック・グー」に改められました。この背景には、中国の文化を排除しようとするフランスの企みがありました。

カイディン帝廟の全体図

カイディン帝廟の敷地内は狭いので、観光時間はそこまでかかりません。所要時間30〜40分でしっかり見学できると思います。建造物の数も少なめです。ただ階段を登って行くので、少し体力が必要です。最大の見どころは一番高い所にある「啓成殿」(1番)です。

カイディン帝廟

カイディン帝の功績の碑

世界遺産カイディン帝廟の見どころを順番に紹介していきます。

入口です。1つ目の階段を上ります。

カイディン帝廟

その先には2つ目の階段があり、門(4番)の向こう側には「碑亭」(2番)が見えます。

カイディン帝廟

碑亭もですが、両脇に建つ塔(3番)もフランスの影響を感じることのできる建物です。

カイディン帝廟
カイディン帝廟
カイディン帝廟

装飾などは中国風ですね。

カイディン帝廟

他の帝廟と同じく、碑亭の中にはカイディン帝の功績が刻まれた碑石がありました。

カイディン帝廟

碑亭の装飾の龍の目は、フランスワインのボトルの底の部分を使ってるらしいです。

カイディン帝廟

役人と兵士の像

碑亭の前の広場には、他の帝廟と同じく、たくさんの人の像があります。中国の兵馬俑のようです。

カイディン帝廟

前列が役人、後列が兵士の像ですね。

カイディン帝廟

兵士の像は何故か裸足です。

カイディン帝廟

象もいました。ベトナム人にとって象は馴染み深い動物で、先史時代から飼いならして家畜化し、運搬や交通などに利用していました。また王家の威厳と男らしさを象徴する動物でもありました。

カイディン帝廟

碑亭を通り過ぎたあたりから振り返ると、こんな景色でした。他の帝廟とは全く違いますね。どっぷり中国の影響を受けたミンマン帝廟との対比が面白いです。

カイディン帝廟

圧巻の啓成殿

さらに階段で上がると、カイディン帝廟のメインスポット「啓成殿」(1番)があります。

カイディン帝廟

西洋式の見応えたっぷりのコンクリート建築です。

カイディン帝廟
カイディン帝廟

啓成殿は礼拝堂と陵墓を兼ねています。まずは礼拝堂です。外側の白黒の世界とは違い、中はとてもカラフルです。天井絵が圧巻です。

カイディン帝廟

壁のモザイク装飾も素晴らしいです。装飾には中国の陶器や日本のビール瓶が使われてるらしいです。

カイディン帝廟

さらに奥へ行くとカイディン帝の陵墓です。ここも凄いですね。

カイディン帝廟

装飾はほぼ中国風ですが、装飾の細かさや色使いなど、全体的には西洋のバロック様式(ロココ様式かな?)の宮殿みたいだなと思いました。

金箔で施されたカイディン帝の像です。

カイディン帝廟

この像から9m下にカイディン帝の遺体があるとのことです。歴代皇帝の中でも遺体の場所が分かっているのは彼のみです。

豪華な廟の建築のために、多額の税金を課して、国民に嫌われていたカイディン帝ですが、彼の廟は今や観光地となり沢山の人が訪れていることを考えると、何とも皮肉な話ですね。

まとめ

世界遺産カイディン帝廟のまとめです。

  • フエ市街地から遠いのでツアーで行くのがベスト
  • ミンマン帝廟と一緒に訪れるのが良い(対比が面白い)
  • 広くないので観光時間はそこまでかからない(所要時間30〜40分程度)
  • 建築には西洋の要素が取り入れられててとても豪華
  • 特に啓成殿は内外ともに見るべし
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