2022年6月のハンガリー旅行記です。
ハンガリーで1番美しい村と言われるホッローケー。世界のあらゆる村が世界遺産に登録されていますが、その最初のものがホッローケーの古村落です。
この美しく長閑な村を散策しましたので、そのレポートです。
世界遺産ホッローケーとは?
登録名 | ホッローケーの古い村落とその周辺 |
登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (5) |
登録年 | 1987年 |
ホッローケーは、「ホッローケーの古い村落とその周辺」として世界文化遺産に登録されています。1987年にブダペストとともに、ハンガリー初の世界遺産として登録されました。
世界のあらゆる村が世界遺産に登録されていますが、その最初のものがホッローケーの古村落です。
登録範囲は、以下の図の緑線の内側となります(ユネスコのサイトより)。主に村と城ですかね。
- パローツ様式という独自の建築様式で建てられた家々が並ぶ村落
- 村から少し歩いたところにあるホッローケー城
周辺の菜園も世界遺産の範囲に含まれてるようです。
ホッローケーの歴史
ホッローケーは日本人には言いにくい発音ですが、意味としては、ホッロー(カラス)、ケー(石)とのことです。ホロケやホッロークーと言われることもあります。伝説では、悪魔が城から美女を助けるために、カラスを使って城の石を持ち去ったとかなんとか。
ホッローケーの村落は14世紀頃には成立していたらしいです。住む人々はパローツ人を祖先とします。パローツ人はトルコ系のクマン人の流れを汲むとされていますが、詳しいことは分かってないとのことです。
村落は、パローツ様式と呼ばれる木造の伝統的建築が立ち並んでいましたが、1909年の火事によって大半が焼失したため、現在のものはその後に忠実に再建されたものです。
村の近くにあるホッローケー城は13世紀に建設されました。モンゴルによる侵攻の後、それに備えるためハンガリー国王ベーラ4世の命で造られました。
オスマン帝国やオーストリア支配時代には、ホッローケー城はあまり重要視されず放置されたため、大破壊からも逃れ、かなり保存状態が良いとのことです。
ホッローケーへのアクセス
ブダペストからバスで2時間ほどで行けます。ホッローケーの観光自体はじっくり楽しんでも半日かからないので、ブダペストからの日帰りが可能です。ただ、バスの本数が1日2本ほどなので、日帰りする人は朝早めにブダペストを出発しましょう!
ブダペストのKacsóh Pongrác útというバス停(セーチェーニ温泉の近く)から、長距離バスを利用してホッローケーへ行けます。このバス停へは、まずは、地下鉄1号線の終着駅Mexikói útか、もしくは最寄りのバス停Erzsébet királyné útja, aluljáróまで行く必要があります。
自分らはブダペストの中心地から、バスでErzsébet királyné útja, aluljáróまで行き、そこから徒歩でKacsóh Pongrác útまで行きました。
ハンガリーで初めて乗る長距離バスでしたので、緊張しましたね。予約はしてません(できるかどうかよく分からなかった)。券売機も無さそう。ただバス停がポツンとありました。
バスがやってきました。ハンガリーはクレカ決済が主流なので、そのつもりで乗ったらなんとお断り…。お釣りがあまり出ないようにお金を支払わなければいけませんでした。この後も長距離バスはたくさん乗りましたが、全てキャッシュオンリーでした(2022年6月当時)。
取り敢えず、行き先を運転手にGoogle mapで伝え、現金支払って、なんとか無事にバスに乗れました。ホッローケーへは2時間ほどの旅です。外の景色は日本とはまるで違いますね。高い山がないです。
美しい村を散策
バスでホッローケーに到着。村の入り口のバス停が発着地点となります。ここで降りた乗客は自分ら以外で夫婦1組。平日だからか、それとも人気のない観光地なのでしょうか…。
バス停近くでホッローケーのマップを発見。こういうのは好きです。
さらにユネスコの世界遺産マークも発見。家にも。
村の中へ。観光客はほぼいませんでした。そのせいか、とても静かで長閑な雰囲気ですね。
主にコシュート通りというメインストリートに、パローツ様式と呼ばれる伝統的建築が並んでます。どれも可愛らしい建物ですね。建物はほぼ1階建てです。屋根は入母屋造りなので、日本の建築に似た部分もあります。屋根はほぼ木製、白い壁は泥と藁を混ぜたものに石灰が塗られたものです。
特徴的なのは破風のデザインです。家ごとに違ってますね。家紋みたいものかと思います。
途中で二手に道が分かれますが、最終的に1つの道になります(左手がメインのコシュート通り)。分かれ道には小さなカトリック教会があります。てっぺんの二重の十字架はハンガリー独特のデザインですね。
教会の門番?のおばあさんが中へ入れてくれました。
中もこじんまりとしてますが、こういうシンプルな教会はなんか惹かれます。少し寄付をして教会を後にしました。
ほんとに長閑です。癒されますね。遥々来た甲斐があります。
パローツの伝統は建物だけでなく、美しい刺繍もあります。道端でおばあさんが綺麗な刺繍のバッグなどを売ってました。おばあさんによる完全ハンドメイド。
お土産物屋さんもチラホラあります。そこまで観光客多くないと思うのですが、皆さん生計はちゃんと立てることができてるのか、と余計な心配をしてしまいます。
イースターの時期(4月頃)になるはと、普段は長閑な村も大騒ぎになるそうです。たくさんの地元民が、伝統的な刺繍の入った民族衣装を来て、ダンスしたりするようですね。イースター独自の「水掛け」もあるみたいです(男性が女性に水を掛けまくる)。気になる人はその時期に合わせて訪れても良いかと思います。
パローツ料理を食す
せっかくホッローケーに来たので、パローツの伝統料理も食べました。レストランは何件があるようですが、営業している店は少なかったですね。「Muskátli vendéglő」というレストランへ行きました。googleでかなり評価が高いです。
食べたのは、パローツスープ(写真右)。ハンガリー料理のグヤーシュに似ています。肉やポテトを煮込んだスープで、サワークリームで味付けされています。パンとの相性抜群で美味しかったです。もう一品はストラパチカという料理。ニョッキみたいなものの上に凝乳した羊のチーズがのった料理。ヨーグルトみたいでした。すごくさっぱりしたお味でした。
猫さんが欲しそうにこちらをずっと眺めておりました。
ホッローケー城へ
村の散策を終え、一旦村入り口まで戻り、今度は歩いてホッローケー城へ。少し上り坂です。「Vár」はお城の意味です。
途中で城の模型&世界遺産マーク発見。
ひたすら歩きます。暑いです…。
到着!先日修復作業を終えたばかりらしく、タイミング的にバッチリでした。
入場料は2500フォリント(2022年6月時点)。事前に調べてた値段もよりも大分高かったですね。世界的に物価上がってるので、しょうがないですが。
そこまで大きくないですが、石造りの頑丈なお城という印象です。こういうのは日本ではあまり見れないので、ヨーロッパ来た甲斐がありますね。
中は博物館も兼ねていて、かつて城で使っていたものや部屋などを見ることができます。想像力をフルに使って楽しみました。
そして、何といってもホッローケー城から眺める風景が素晴らしかったです。天気も良かったしめっちゃ気持ちよかったです。
城へ行くルートですが、普通に考えれば、村の入り口に戻って、そこから城の方へ歩いていくパターンになりますが、実は村の中からショートカットしていくこともできます。「Palóc Babamúzeum」という博物館の近くの細道を通って行けます。小さいですが、「Vár」の看板も出ていました。途中森を通っていく感じになりますので、日差しが強い時は、ショートカットすると少し楽かもしれません。ご参考までに。
まとめ
世界遺産ホッローケーのまとめです。
- ブダペストから日帰りできる(バスは本数少ないので注意)
- 長閑な村で癒される
- パローツ様式の建物が可愛らしい
- パローツの伝統料理や刺繍を楽しめる
- ホッローケー城からの景色が素晴らしい
また、イースターの時期に行けば、いつもと違う賑やかなホッローケーを楽しむこともできそうですね。
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