ベトナム

ハノイ「文廟」(孔子廟) ベトナム最古の大学があった学問の聖地

文廟ベトナム

2023年4月のベトナム旅行記です。

ハノイにある文廟。儒学の祖「孔子」を祀っているため、孔子廟とも呼ばれています。学業の祈願で参拝する人が多いとのことです。

じっくり観光してきました。ハノイの喧騒から離れてまったりできる空間でしたね。

文廟とは?

中国発祥の儒学の祖「孔子」を祀る廟です。儒学とは、紀元前6世紀頃の中国春秋時代の思想家である孔子が唱えた儒教を体系化した学問です。中国の学問の中心となり、2000年以上に渡り、東アジア各国へ影響を与え続けてきました。日本でも江戸時代に徳川幕府が積極的に取り入れましたね。

ベトナムも例外でなく、特に北部は長い間中国の支配を受けてきたので、儒学の影響を強く受けています。

文廟は、1070年「李朝」の3代目皇帝の李聖宗(リー・タントン)の時代に建てられ、1076年から1779年までベトナム初の国立大学が置かれていました。首都がフエに移るまで、ここで官僚や貴族、王族などエリート層が教育されました。

また、廟内の建物の配置は、孔子が生まれた中国山東省曲符にある孔子廟(世界遺産にもなっています)と似ているとのことです。

料金・営業時間

料金は3万ドンです(2023年4月時点)。日本語のオーディオガイドは有料(確か5万ドン)で借りることができます。エントランスから入って、左手に向かうとチケット購入所があります。

営業時間は、8:00~17:30で、年中無休でやっています。

結構敷地も広いので、時間に余裕を持って観光する方が、色々と見れて楽しめると思います。

文廟門/大中門

文廟はタンロン城遺跡を南へいくとありますが、エントランスが分かりにくいというか、1つのみで、間違ったところへ行くと大回りすることになるので、しっかりエントランスの場所を確認してから向かいましょう。エントランスから入ってチケット購入後、まっすぐ進むだけで観光できるので分かりやすいです。

文廟

チケットを購入してまずは文廟の顔「文廟門」へ。どっしりした門ですね。元々木造でしたが、17世紀に石造りに建て替えられたとのことです。屋根の反りが気になります。

文廟

デザインも所々細かいですね。

文廟

門を潜って、裏側からです。上部に文廟門と書かれています。

文廟

先に進み、第2の門「大中門」です。シンプルです。

文廟

屋根の上の瓶と鯉の彫刻が印象的です。

文廟

敷地内は緑も豊かなので、ハノイの喧騒から逃れたい人にも文廟はおすすめの場所だと思います。

文廟
文廟

奎文閣

「奎文閣」(けいぶんかく)です。変わった形をしてますよね。19世紀の阮(グエン)朝時代の建造物です。

文廟
文廟

10万ドン札にも描かれてます。

文廟

さらにハノイ市のマークも奎文閣なんです。ハノイのシンボルですね。

ハノイ市のマーク

奎文閣の先は広い空間で、大きい池があります。

文廟

池には鯉がたくさん泳いでますね~。まったりした時間です。

文廟

亀の石碑

奎文閣を抜けた先の池の周辺には、何やら変わった石碑が多数あります。それぞれの石碑の下には亀。

文廟

これは「科挙」(中国で行われていた超難関の官吏採用試験制度)の合格者の名前が彫られている石碑でした。だいぶ文字は薄くなってますが、当時のことが分かる貴重な資料です。ベトナム王朝も科挙を導入していたのですね。ちなみに台座になってる亀は、儒学の世界では太平を表す生き物として重要視されています。

文廟
文廟

全部で82基、1307名の合格者の名前が彫られています。これらは、2010年にユネスコの「世界の記憶」に登録されています。「世界の記憶」とは、世界遺産とはまた別でユネスコが主催する事業なんですが、後世に伝えるべき古文書や書物などの歴史的記録物を保全し、広く公開することを目的としたものです。めちゃ大切な事業ですね。

文廟

大聖殿

文廟のメインの場所です。たくさんの人が集まっています。学生が多そうです。合格祈願でしょうか。

文廟
文廟

孔子が祀られている「大聖殿」です。椅子が散らばっていますが、何かイベントをやっていたのでしょうか。

文廟

建物はシンプルですが、屋根の上の龍の彫刻が豪華ですね。

文廟

中に入ります。回廊です。朱色のいかにも中国風な豪華造りですね。

文廟

「萬世師表」は、「永遠に人々の模範となる先生」という意味です。孔子のことですね。

文廟

ついに孔子さんと対面です。学業に励んでいる皆さんは、ここで手を合わせていました。

文廟

国子監

さらに進むと、かつて大学があった区域に出ます。一番奥には「国子監」があります。1076年に李朝四代目皇帝の李仁宗(リー・ニャントン)によって建てられたベトナム最古の大学です。1946年のインドシナ戦争の時に破壊され、2000年に再建されました。ハノイの寺院は全て屋根の反りが半端ないですね。日本とは全然違います。

文廟

国子監の近くには、立派な鐘楼と鼓楼がありました。

文廟
文廟

国子監に中は、博物館のようになっていました。国子監の教師チュウ・ヴァン・アンの大きな像が祀られていました。

文廟

まとめ

文廟のまとめです。

  • 入口の場所に気を付けるべし
  • ハノイの喧騒から離れることができる空間
  • ベトナム最古の大学があったことからか、学生さんの参拝者が多い
  • 奎文閣は阮朝時代の建物で歴史的に貴重で、ハノイ市のマークにもなっている
  • 82基の石碑はユネスコの「世界の記憶」に登録されている

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