ベトナム

ハノイ「ホーチミン廟」永久保存されたベトナムの英雄が眠る

ホーチミン廟ベトナム

2023年4月のベトナム旅行記です。

ハノイ滞在中に、必ず行きたかったホーチミン廟へ。

ベトナムの英雄「ホー・チ・ミン」の遺体が安置されている廟です。1973〜75年に建設されました。観光名所でもありますが、他の地方から訪れるベトナム人もとても多いです。

英雄ホー・チ・ミンとは?

ホー・チ・ミンさん(1890頃〜1969年)は、近現代のベトナム史に登場し、ベトナム独立運動の中心となった人物です。ベトナムの全てのお札に印刷されており、また至る所で写真を見ることができます。

ホーチミン

①誕生

彼が生まれた時代(1890年頃)は、ベトナム統一王朝の阮朝の時代でした。しかし当時のベトナムはカンボジアとラオスとともにフランス領インドシナ連邦に組み込まれており、フランスの支配を受ける時代でした。

②フランスへ

20代の頃、船乗りとしてフランスへ渡りました。1920年には「フランス共産党」の創立大会に参加し、ベトナムの自由をフランスから訴えました。

③ベトナム共産党結成

1930年、中国にて「ベトナム共産党」(一時的にインドシナ共産党に改名)を結成しました。後のベトナム独立同盟の中核となります。

④帰国→ベトナム民主共和国成立

1940年に第二次世界大戦でドイツに敗れたフランスがベトナムを撤退後、代わって日本がベトナムに進出したことを受けて、30年振りにベトナムへ帰国しました。

帰国後の1941年、ベトナム独立を目指す「ベトナム独立同盟(ベトコン)」を結成しました。

1945年、日本軍が太平洋戦争で降伏する直前、ホー・チ・ミンの指導による武装蜂起から「八月革命」が起こりました。阮朝が倒れ、社会主義政権である「ベトナム民主共和国」が成立し、ホー・チ・ミンは大統領に就任しました。

⑤インドシナ戦争

ようやくベトナム独立かと思いきや、第二次世界大戦後、旧宗主国フランスはベトナムへ再進出しました。1946年、ホー・チ・ミン率いるベトナム民主共和国とフランスの対立から「インドシナ戦争」が始まりました。

フランスは、阮朝最後の皇帝バオ・ダイを立て、南部に傀儡政権である「ベトナム国」を建国して北と対立しました。

⑥ベトナム戦争中に死去

インドシナ戦争でフランスに勝利したベトナム民主共和国でしたが、今度は社会主義の進出を防ぎたいアメリカが介入し、南部に「ベトナム共和国」が成立しました。

1965年にベトナム戦争が始まり、ホー・チ・ミンは北部の指揮を取りましたが、サイゴン陥落による戦争の終結を待たず、1969年に死去しました。南ベトナムの首都サイゴンは南北統一後、彼の名前を冠して、ホーチミン市と改称されました。

料金・開館時間

入場料は無料です。開館時間は午前中のみなので注意が必要です。

4/1〜10/31

7:00〜10:30(土日祝は〜11:00)

11/1〜3/31

8:00〜11:00(土日祝は〜11:30)

月曜と金曜は休みです。さらに6/15〜8/15はメンテナンスで閉館してます。

廟内へ

ホーチミン廟の入口ですが、廟からはけっこう離れてます。

偉大なるホー・チ・ミンを偲んで、という意味かなと。

ホーチミン廟

入口でセキュリティチェックもあるので、大きなカメラなどあれば預けることになります(無料)。ちなみにペットボトルの水は没収されました(泣)。買ったばかりなのに…。

ホーチミン廟

普段どれくらいかは分かりませんが、日曜ということもあり、やばいくらい長蛇の列。そして、ベトナム人の方が多かったです。ベトナム全土からホーさんに会いに来てるのかなーと。命日の9月2日は相当な人が集まるらしいです。

ホーチミン廟

並ぶこと1時間以上で、ようやく廟内へ。廟内は軍人が警護してます。撮影や私語、立ち止まるのは禁止です。露出の多い服装や帽子、サングラス、サンダルなどもNGです。

総大理石の見事な廟ですね。

ホーチミン廟

列に並びながら、ガラスケースの中の冷凍保存加工されたホー・チ・ミンさんを見て退場する感じです。ものの数分の出来事ですが、貴重な体験でした。内部では皆んな手を合わせてました。

多くの人から英雄視されるホー・チ・ミンですが、本人は神格化されることを嫌い、死後は火葬して各地に散骨して欲しいと遺言を残していたそうです。しかし、ベトナム政府がそれを許しませんでした。ロシアのレーニンと同じように冷凍保存加工されました。政治的な理由かと思いますが、それが良かったのか悪かったのかは分かりません。

廟の後は、有料で「ホー・チ・ミンの家」や「ホー・チ・ミン博物館」(以下の写真)に入場することもできます。今回は行ってませんが、どちらも入場料4万ドンとのことです(2023年4月時点)。

ホーチミン博物館

一柱寺

ホーチミン廟の近くに、変わったお寺がありました。池の中に1本柱で建っている「一柱寺」です。入場は無料です。

一柱寺

1009年に李朝を開いた「李太宗」が1049年に建てた寺院の一部が残ってるとのことです。屋根の反り具合は日本の寺のものとは違いますね。中国の影響の強さを感じます。

一柱寺

中はこじまんりしてますが、黄金の観音像が安置してあり、立派な造りでした。参拝者も多かったです。

一柱寺

まとめ

ホーチミン廟のまとめです。

  • 入口が遠く、さらに結構並ばないといけない
  • 開館時間も短く、休みも多いので行く時は注意
  • 写真NG、ドレスコードも厳しめ
  • ホー・チ・ミンの安らかな顔を拝見できる
  • 偉大な人なので、せっかくハノイに来たのなら会いにいくべし

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